アリスタ・ネットワークス(ANET) 企業分析

アリスタ・ネットワークス(ANET)は2014年6月6日にナスダック上場を果たしたまだ若い伸び盛りの企業です。主力製品は高速通信に特化したスイッチとそれを制御する「Arista EOS」というOSやクラウド・ビジョンというソフトウェアです。

EOSというのはExtensible Operating System(拡張可能なOS)のことを指しており,現在のクラウド・データセンターで求められる拡張性に対応していることを意味しています。

スイッチ市場というのは従来より地味な業種ですが,データセンターのパラダイムシフト(オンプレミスの小規模運営から,クラウドプロバイダーによる大規模なサーバー運営へ)が起きたことで,一気にシスコ・システムズ(CSCO)からシェアを奪い取っています。

今後,ネットワークの高速化・データセンターの巨大化が進むのであれば,速度・拡張性・コストに勝るアリスタ・ネットワークスにとって有利であり,逆にシスコにとっては脅威となるでしょう。

3年週足チャート

IPO以降,$52〜$93のレンジでのボックス圏が続いてきました。ようやく3年越しの高値を抜けたのが2016年末です。2017年2月の決算発表で$120へブレイクアウトして以降は順調に株価が上がっています。現在の株価は相場の初動でありバリュエーション的には割安だと言えるでしょう。

 

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機関投資家の買いが続いており,ディストリビューションの気配はありません。(2015年ごろに一度ありましたが。)

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企業ホームページ

Arista Networks

セクター

セクター: 情報技術
業種 : 通信機器

企業概要

アリスタ・ネットワークスは2008年創業,2014年上場のネットワーク関連ソフトウェアとスイッチ機器を製造販売する企業です。

2011年には1100社だった顧客企業数が,2016年には4200社へと4倍に伸びており,急速に成長している企業です。

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経営陣

CEO:Jayshree Ullal

現在のCEOはジェイシュリー・ウラール氏で,元シスコ・システムズの上級副社長です。下図右側に座っているのが創業者であるアンディ・ベヒトルシャイム氏です。こちらはサン・マイクロシステムズの創業者でもあり,のちにシスコ・システムズのバイス・プレジデントを勤めたのちアリスタ・ネットワークスを立ち上げました。

二人とも元シスコでありネットワーク技術の専門家です。

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また,幹部社員の大半も元シスコ・システムズ社員であり,シスコのことを知り尽くしているといっていいでしょう。

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規模

従業員数:1500名

近況

イーサネットのスイッチングハブといえば,家庭用の5口程度のものが思い浮かびますが,アリスタ・ネットワークスが提供するのは,差し口が数百個付いているデータサーバー向けのスイッチです。arista_EOS

セグメント

主なセグメントは,製品販売・サービスのみです。2016年の売上のうち,9割は製品,1割がサービスでした。この比率は2014年から大きく変化しておらず,製品:サービス=9:1の割合で今後も推移すると見て良いと思います。(出荷数が増えるに従ってメンテナンス需要が増えるので,じわじわとサービス比率が増大するとは考えられますが。)

市場

データセンターのパラダイムシフト

パラダイムシフトというのは,サーバー運営に対する考え方がここ数年で劇的に変化したことが影響しています。

従来の企業というのは,自社内で必要なデータ量から見積もって,今後数年間で必要になるデータサーバーを導入し自社で管理するというオンプレミスモデルでした。すなわち,社内にデータベース管理の専門家を置いておき,数百台〜数千台のサーバーを保守していくというモデルです。

しかし,クラウドの時代になると様相は一変します。

例えば,ネットフリックス(NFLX)のような企業は,全てのシステムをアマゾン・ウェブ・サービス上に置いています。当然ながら,ネットフリックス自身は物理的なサーバーの管理は自分では行いません。データセンターそのものは世界各地に設置されたアマゾンの社屋の中にあり,サーバーの管理はアマゾンの社員がやってくれるのです。

このように現在のクラウド・プロバイダーは,従来とは一桁・二桁上のデータサーバーを管理する時代となりました。2017年現在,一人の管理者が1万台のサーバーを管理しています。(今後のデータ爆発によって,今後さらに一人当たりの管理台数は増えていくでしょう。)

要するに,オンプレミス時代のようなマンパワーに頼ったやり方では到底サーバーを管理しきれないのです。

このように,クラウド化によってデータセンターというビジネスモデル自体がガラリと変わってしまったことで,アリスタ・ネットワークスにとっては追い風が吹いてきました。

 

現在のクラウド・プロバイダーらの顧客が望むのは,

  • 自動化(全てのハードウェアの健康状態を自動的に管理したい)
  • スケーラビリティー(次から次へとサーバー台数を拡張していきたい)
  • ロードバランス(負荷を調整したい)
  • 堅牢性(ウイルス・ハッキングなどのリスクを排除したい)

といった要素です。

これらの機能をLinuxベースの「アリスタEOS」というOSやソフトウェアによって提供したことが,アリスタ・ネットワークス製品の採用につながっています。

データセンターのクラウド化

サーバー市場においてはすでにオンプレミスとクラウドの出荷台数は逆転しており,二度と逆転することはないと予想されています。特に大手7社(アマゾンなど)のクラウド・プロバイダーのデーターセンターへの投資は凄まじく,データセンター市場の3割近くを占めています。もちろん,これら以外にも中国のアリババのアリクラウドなども躍進しており,投資熱が冷める傾向は見られません。

下図のクラウドの部分(Top 7 Cloud Providers, Rest of Cloud)についてはアリスタ・ネットワークスが優位を保っている市場です。残りの市場(Rest of Market Enterprise and SMB)については依然,シスコ・システムズがシェアをキープしています。

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競合状況

アリスタ・ネットワークスにとっての最大の競合はシスコ・システムズです。

依然として市場シェアの過半数はシスコ・システムズが占めていますが,アリスタは2011年の3.4%のシェアから2016年の14.5%のシェアへと5年間で3倍もの急成長を遂げています。

特にクラウドなどの高速ネットワークでの導入が進んでおり,「ソフトウェアによるネットワーク制御」というコンセプトが,拡張性・柔軟性を重視するユーザーニーズを捉えていると言えます。企業ビジョンレベルで優位に立っていることの証であり,今後もこのトレンドは続くでしょう。

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