百度バイドゥ(BIDU) 企業分析

2016年2月25日に発表された2015Q4の決算がよく,百度(バイドゥ)(BIDU)株価が急騰しています。中国景気の不調は海運指数や製造業指数からも明らかですが,一方で中国の人民が不景気でインターネットをやめるかというとそんなことはありません。検索広告に依存している百度には大きな影響は出ないと考えています。企業が広告費用まで大幅に削減するほどの不況になれば別ですが,まだまだそこまでの不況にはなっていないと思います。

直近の決算でのサプライズは,Baidu Wallet(決済サービス)の利用者がYoY+189%急増していることです。 中国というと個人的には現金決済のイメージが強いのですが,案外キャッシュレスを受け入れる土壌があるのかも知れません。これはクレジットカード会社であるマスターカード(MA)やビザ(V)にとって中国が魅力ある市場である一方,厳しい競争が待ち受けていることを意味します。

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BIDU

セクター

情報技術

企業状況

百度(BIDU)は中国最大のサーチエンジンを提供しています。中国と言えばインターネット御三家アリババ集団(BABA),テンセント,百度(BIDU)が有名ですが,その一角を占めています。

百度はフェイスブック(FB)などと同じく,モバイルへの注力を行っており,2015Q4決算では売上高のうちモバイルが56%を占めるまでに成長しました。(モバイル売上高はYoYで+42%の高成長)

2015Q4決算メモ

2015年通年,Q4決算

・モバイル検索月間アクティブユーザー(MAU)は6.57億人でYoY+21%増加しました。
・モバイルマップのMAUは3.02億人でYoY+43%増加しました。
・百度財布(Baidu Wallet)ユーザーは,5300万人に達しました。YoY+189%の増加です。

成長市場

中国の広告市場は年率27%のペースで成長しています。

ChineseInternetAdvertising

競合状況

百度のシェアは2015年時点で71.35%です。競合として360Search(60好搜),Sogou(搜狗)が続きます。中国の独特なところは,グーグル(GOOGL)やヤフー(YHOO)やマイクロソフト(MSFT)のような米国大手インターネット企業が参入していない(撤退してしまった)点です。そのため,中国ローカルのオンライン企業同士がせめぎ合っている状況が続いています。

昨今ではテンセントと提携したSogou(搜狗)の躍進が続いており,百度のシェアを徐々に浸食していますがまだまだ7割以上のシェアを確保しており安泰だと言えます。

BiduSearchEngineShare

一方で,世界企業であるグーグル(GOOGL)などと比較すると百度(BIDU)の検索広告売上高はまだまだ小さく,1/6程度なのが現状です。中国は世界第二位の検索広告市場であり,モバイルの普及も続いていることからまだ成長余地はあると思います。

china-search-engine-baidu-sougou

収益源

売上高のうちオンライン・マーケティング・サービスが99%を占めています。要するに検索エンジン広告の会社です。

費用の急増

売上高の急成長と比例するように,費用が急増しています。(売上高が4年で6倍,費用は4年で9倍に)

トラフィック獲得費用,帯域費用,営業費用などは売上に比例して増加しているように見える一方,コンテンツ費用が急増しているようです。おそらくユーザーを獲得するためにウェブコンテンツを仕入れているのでしょう。(アマゾン(AMZN)のプライム・ビデオのようなもの)

検索エンジンは,ネットワーク効果の期待できるSNS(テンセントのQQなど)と違って,乗り換えコストが低いため,ユーザー獲得にはある程度の付加サービスが必要なのは確かです。競争が厳しくなる中,ユーザー獲得のための先行費用として付加価値(コンテンツ等)への継続的な投資が必要とされるようであれば,グロスマージンがじわじわと低下する恐れがあります。

最近のマーケット状況

5年チャート

bidu-5yr-chart-20160226

日足チャート

2015Q4の決算で売上高YoY+33%でした。好決算を受けて9.78%上昇しています。

bidu-daily-chart-20160226

先四半期のキャッシュフロー

bidu-cf-2015q4

直近株価評価

売上・利益の急成長に対しては相対的に割安だと思います。

現状 スコア 満点
機関投資家比率 83.0% 15 20
機関投資家の売買動向 0 12
インサイダーの売買動向 0 12
現在の株価(資産に対する割安度) $173.8 20 20
現在のPER(Forward) 3.05 20 20
現在の配当利回り 0.0% 4 16
59点 100点

10年ファンダメンタル分析

10年ファンダメンタル レーダーチャート

高いグロスマージン(ここ10年平均で67〜68%を維持)を維持し,ROEも30%を超えています。財務的にも極めて健全です。欠点としては少なくともグローバルという意味ではブランド力に欠ける点でしょう。(中国ローカルに絞ったBrandZ社のベスト中国ブランドには御三家と共に百度も名を連ねていますので,ブランド価値がないわけではありません。あくまでグローバルブランドと比較すると価値が小規模という意味です。)

 

10年ファンダメンタル 得点表

5年平均 5年スコア 10年平均 10年スコア 満点
グロース株総合評価 280点 252点 400点
グロスマージン(粗利率) 68.5% 40 67.4% 40 40
営業キャッシュフローマージン 49.9% 40 53.7% 40 40
株主資本利益率(ROE)平均値(Net Income/Equity) 50.6% 20 31.0% 20 20
収益力評価 100点 100点 100点
営業キャッシュフロー増加率 30.7% 40 106.1% 40 40
フリーキャッシュフロー増加率 25.4% 32 116.9% 32 32
EPS増加率 29.9% 28 -100.0% 0 28
成長力評価 100点 72点 100点
自己資本比率平均値 60.9% 40 76.1% 40 40
流動比率(流動資産/流動負債) 359.6% 40 352.9% 40 40
クレジット格付け 0 0 0 0 20
財務健全性評価 80点 80点 100点
平均配当利回り 0.0% 7 0.0% 7 28
自社株買い利回り -0.2% 0 -13.2% 0 16
配当金増加率 -100.0% 0 -100.0% 0 28
配当性向(増配余地) 0.0% 0 0.0% 0 28
株主還元評価 7点 7点 100点
ブランド力 0 0 0 0 60
エコノミック・モート 0 0 0 0 40
定性的評価 0点 0点 100点

10年分析グラフ

bidu-10yr-analysis

優良銘柄の条件

優良銘柄の条件 結果 判定 備考
条件3:他社と差別化できる優れた新製品を持つ 中国市場のみ。
条件5:主力製品の市場が長期的に拡大し続ける余地がある 中国の市場拡大余地は大きい。
条件10:売上,営業キャッシュフロー,フリーキャッシュフロー,EPSのバランスがよい

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