検索件数ランキング

2017年3月〜5月末までの3ヶ月間の銘柄検索ランキングを公開します。当ブログは長期投資を標榜しており読者の皆さんもどちらかと言えば長期投資スタイルの方が多いと思いますが,それが検索ランキングにも現れています。

バフェット流分析シートの検索ランキング上位

サンプリング期間:2017年3月〜5月末

# 検索ランキング上位企業名 検索件数
1位 コカ・コーラ(KO) 694
2位 IBM(IBM) 238
3位 ジョンソン・アンド・ジョンソン(JNJ) 226
4位 エクソン・モービル(XOM) 193
5位 アルトリア・グループ(MO) 148
6位 プロクター・アンド・ギャンブル(PG) 140
7位 ベライゾン(VZ) 133
8位 マイクロソフト(MSFT) 129
9位 アップル(AAPL) 124
10位 ゼネラル・ミルズ(GIS) 113

総評

圧倒的に人気なのはコカ・コーラ(KO)でした。米国企業の中でも知名度・ブランド力で言えば,コカ・コーラとアップルが2強ですが,もう一方のアップル(AAPL)の124件に対して5倍もの大差をつけての1位というのは,「企業としてのブランド力(顧客支配力)」と「株としての注目度(投資リターンへの期待値)」に乖離があるということを意味しているのでしょう。

コカ・コーラは現在,事業体質の改革途上であり株価も冴えません。2016年5月のコカ・コーラ企業分析の中でも触れたように,フランチャイズ化により本社をスリム化して,EPS成長を加速できるかどうかがキモだと思っています。

コカ・コーラのここ数年の売上減少は”ダイエットで贅肉が落ちた”ことによるものなのか,”炭酸飲料離れによる実需の減少”によるものなのかを見極める必要がありますが,この改革のプロセスをじっくり見守ってやりたいという投資家が多いということでしょう。

一方で意外だったのが,IT企業が少ないことです。

2位のIBMの人気を除くと,エンタープライズ市場の王者マイクロソフト,コンシューマー市場の王者アップル(AAPL),Eコマースの王者アマゾン(AMZN),オンライン広告市場の王者アルファベット(GOOG),SNS市場の王者フェイスブック(FB),中国ITコングロマリットのアリババ(BABA)の人気度が低いです。

ここに違和感を覚えるのは,近年の経済成長のエンジンはITだと思うからです。(#私はテクノロジーに対してラガードなタイプではありますが,昨今のクラウド,AI,自動運転といった技術の進歩と実需の伸びは本物だと感じています。)

また,ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイ(BRK.B)も人気がありません。

これは現在の市場の時価総額ランキングとだいぶ異なります。(下表)

時価総額=株式市場(主に機関投資家)が判断する各企業の事業価値だとすると,当ブログ読者のみなさんにとっての”事業価値”がだいぶ違うということでしょう。

それは一つには情報の格差でしょう。米国在住のファンドと,日本在住の個人投資家の感じる情報の差や肌で感じ取ることのできる企業の熱気に差があるということです。当地にいないと分からないこともあります。

もう一つ想定されるのは,機関投資家と個人投資家の間で”配当・投資スパン・株価ボラティリティなど”を総合的にどう重み付けするかが食い違っているという点です。個人は損を嫌い値動きの小さい(したがって成長性も低い)関心が偏っているように思います。

# 時価総額上位企業名
1位 アップル(AAPL)
2位 アルファベット(GOOG)
3位 マイクロソフト(MSFT)
4位 アマゾン(AMZN)
5位 フェイスブック(FB)
6位 バークシャー・ハサウェイ(BRK.B)
7位 エクソン・モービル(XOM)
8位 ジョンソン・アンド・ジョンソン(JNJ)
9位 アリババ(BABA)
10位 JPモルガン・チェース(JPM)

ただ,長期的に見れば,こうした人気度の乖離は徐々に小さくなっていくと予想します。

それは情報のオンライン化によって,機関投資家と個人投資家が入手可能な情報の差が小さくなっていっているためです。今は地球の裏側の企業のIR情報をリアルタイムで読めるほか,ウェブ・カンファレンスも聞けます。

そして現状はまだまだ高い英語の壁も,あと10年もすれば消え去ります。それはエヌヴィディアのGPUやアルファベットの開発するグーグル翻訳的なものの進化によって,あらゆる言語がローカル言語に瞬時に翻訳されるからです。

そうした時代が来れば,「アリババはよくわからない,GEICOは使ったことがない…だからアリババやバークシャーの株に手を出さないでおこう」という個人投資家に不利な状況は,緩和されます。

おそらく,企業の時価総額ランキングと,日本人個人投資家の気になる企業ランキングがかなり近いものになるんじゃないでしょうか。

5 thoughts on “検索件数ランキング

  • 2017年5月28日 at 6:53 PM
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    何度か企業分析のシートを使わせてもらいました。
    立派なものをありがとうございました。

    特に配当金の履歴などよくわからなかったので、昔のことまでわかり大変ありがたく使わせてもらっています。
    連続増配と言われる銘柄でなくても、意外に減配はしていない、リーマンショックの時に一度減配しても再び元の配当金額に戻してそこから連続増配、という企業もあって参考になります。

    将来の株価分析はあてにしてはいけないと思いつつも、つい見てしまいます。笑

    分析シートの検索結果は非常に面白いなと思いました。
    KOは人気があるとは思っていましたが、圧倒的な差というのが凄いです。
    特定の傾向があるんですね。

    これからもよろしくお願いします。

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    • 2017年6月4日 at 8:59 PM
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      ブックさん
      こんにちは。
      配当というのは企業の側からすると,フリーキャッシュフローの使い途の一つに過ぎません。
      そのため,フリーキャッシュフローを見れば配当の確実さおおよそ予測できます。

      売上の変動・投資キャッシュフローの増減が激しい企業は,フリーキャッシュフローが凸凹になりがちです。
      飲料・タバコが異常に大人気なのは,このフリーキャッシュフローの上振れ・下振れの小ささ=すなわち,
      長期トレンドが大きく変化せず予測しやすいからということもあると思います。

      Reply
  • 2017年6月9日 at 4:15 PM
    Permalink

    こんにちは、いつもブログを見させてもらってます。

    企業分析シートの出来に感動しました。独学で勉強して作り上げたとのことですが、どういった書籍を参考にしたのでしょうか?
    差し支えなければ教えていただきたいです。

    Reply
    • 2017年6月10日 at 6:50 PM
      Permalink

      アクリル板さん
      こんにちは。私の場合,最初はGoogle Apps Scriptのリファレンスだけで作っていました。それで知識が足りないと感じて購入したのが以下の2冊です。
      ——————————————–
      (1) 『改訂新版JavaScript本格入門』 山田 祥寛 (著)
      (2) 『JavaScript: The Good Parts』 Douglas Crockford (著), 水野 貴明 (翻訳)
      ——————————————–
      (1)はJavaScriptの文法を体系的に解説してくれており,入門書としても,ちょっとした字引きとしても使えます。
      「もっと早く読んでおけばよかった・・・」と感じた一冊です。
      (2)は実践的に初心者がつまづきやすいポイントを解説しており
      (1)の入門書では説明不足な点を補填してくれると思います。(逆に,基本を知らずに読んだら意味不明な本でしょう。)

      Googleスプレッドシートとか,Excelでできる計算は,プログラミングする時間さえかければ,
      全てクラウド上で計算できますし・Web上に公開できます。
      もしアイデアをお持ちでしたら,ぜひ小さなところから作ってみてください。
      応援しています。

      Reply
  • 2017年6月13日 at 7:37 PM
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    詳しい説明までありがとうございます。さっそく購入してみたいと思います。

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