トランスダイム・グループ(TDG)の急騰に見るバーゲンハンティングの動き

2017年2月のバーゲン銘柄で紹介したトランスダイム・グループ(TDG)ですが,相場が好調なことも受けてバーゲンハンティングのターゲットとなっています。

2月5日から2週間で15%程度上昇しておりなかなかパフォーマンスは良いです。

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バーゲンはバーゲンというだけあって,長くは続きませんね。バーゲン銘柄は誰もが物色しており期間限定商品なので判断の速度が重要です。バフェットも企業を買うときは即決です。もちろん,バフェットはバーゲンになってから調べ始めるのではなく,事前に企業を調査済みで,決算書をパラパラ見ただけでお買い得かどうかの判断が一瞬でできるという特殊能力を持っているからです。

ただし,21世紀の我々個人投資家にはITという便利なツールがあり,オンライン情報を駆使すればスクリーニングだけなら立ち向かえる時代になってきたと言えます。

さて,バーゲンハンティングがなぜ盛んかというと相場が高値圏で警戒感があり,その中で安全な銘柄というのが一握りに絞られるからです。バーゲン銘柄はベンジャミン・グレアムのいう安全圏が大きく,さらなる下落のリスクはほとんどありません。したがって,今の相場で高値を追うより,下値を拾うバリュー投資のファンドなどに選考されやすいのです。

今回の記事で取り上げたトランスダイム・グループは毎年着実にフリーキャッシュフローを叩き出す高利益率の寡占企業です。

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航空機メーカーというのは,三菱重工が苦しんでいることからも分かる通り,100万点以上の厳格に品質管理された部品から構成されます。

家電のようにベンチャーが勢いでプロトタイプを作って販売というわけにはいきません。

そうした中で,トランスダイムは幅広い製品ラインナップを持っており,さらに買収を繰り返すことで,航空機業界での「何でも部品メーカー,コングロマリット」化を目指しています。

以下のリストが,トランスダイム参加の企業群です。トランスダイム・グループの社名とはゆかりもない様々な子会社(買収により入手)をそのままぶら下げており,航空機のバルブ制御や電子機器やシートベルトまでありとあらゆる部品ラインナップが手に入ります。まさに,総合商社化していると言えるでしょう。

「TDG(トランスダイム・グループ)というのれんの下で何でも揃いますよ」状態なので,取引先であるボーイングなどからすると,調達チャンネルが一つで済むので部品を入手しやすいです。

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先ほどの美しいフリーキャッシュフローは,株主還元するのではなく主に買収に投じられており,企業規模が拡大しています。バフェットが好む「持続的な競争力(durable competitive advantage)」「内在的価値(intrinsic value)」を高めることに特化しており,企業価値の向上のための投資を是とする投資家に向いている企業だと思います。

相場が好調な時にはバーゲンは続かない

日本で投資をしていると最大の難点は,バーゲン銘柄が高騰し始めた初動に乗り遅れることです。

少なくとも「割安かどうか」の判定だけは様々な指標を駆使することで,バフェットに負けないレベルで見分けることができると思うのですが,買うか・買わぬかの判断の速度や,相場の初動を見極めて動く瞬発力の部分が一日中米国株の情報が垂れ流されている米国人と比べるとどうしても不利になってしまいます。

分かってはいるのですが言うは易く行うは難しで,日々の仕事に忙殺されていると難しいですね。

投資にもっと時間を割きたいと思う今日この頃です。

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