アルタ・サロン・コスメティックス・アンド・フラグランス(ULTA)企業分析

典型的なグロース銘柄の一つであるアルタ・サロン・コスメティックス・アンド・フラグランス(ULTA)について取り上げます。

企業ホームページ

Ulta beauty

セクター

一般消費財(小売り)

企業状況

アルタ・サロン・コスメティックス・アンド・フラグランス(ULTA)は,ULTA Beautyを展開する米国最大の美容品小売業者です。取り扱っている製品は,美容品,香水,スキンケア用品,ヘアケア用品およびサロンサービスです。創業は1990年で今から25年前で,All things beautyやAll in One Placeなどといった美容品販売チェーンを抱えています。2015年末の時点で全米で860店舗。(2010年の389店舗から5年で倍増)年100店舗のペースで出店し,将来的には全米で1200店舗まで増やす計画です。

店舗に関しては,基本的にはワンストップ・ショッピング(1店舗で何でも揃う)の店構えであらゆるブランドの製品を販売しています。また,他社との差別化要素としては,スタッフが歩合給ではないことで顧客に対してフレンドリーでバイアスのかかっていないアドバイスを提案できる点にあります。品揃えの良さに加えて,店員の質とサービスへのロイヤリティーでリピート客を掴む戦略です。これは美容業界という口コミや心象が重要なマーケットでは優れた戦略です。

現在,ULTAの会員数は1500万人に上ります。このリピート顧客がULTAの売上の8割を占めており,いかに既存顧客のリピート率を高めるか,また新規会員を増やすかが重要ですが,他社と比べてマーケティング的にも成功している部類だと言えるでしょう。

成長市場かつ安定市場

世界の美容品市場は年率4.6%での成長が見込まれています。
また,不景気になったからといって化粧をしなくなるということもないため,準生活必需品と呼んでも良い不況に対して強い市場です。

the-cosmeceutical-market-current-and-future-outlook-3-638

米国の美容市場は世界最大であり,$121B(日本円で約14兆円)という巨大な市場です。この内訳は,美容品,ヘアケア用品,香水,入浴用品,スキンケア用品などが$71B(約8兆円),ヘアケア・スキンケア・ネイルなどのサロンが$50B(6兆円)です。

 

セグメント

サロン

Ultaが現在コア部門として力を入れているのは,ヘアケア,スキンヘルスとブローの3つのサロン部門です。アルタ・サロンの売上比率は全体に対して数%と小さいですが,サロン会員はノン・サロン会員に比べて一人当たり2倍以上お金を使ってくれることから,ロイヤルティが高い顧客を獲得することによる利益率の向上が見込めます。

ネット販売

ネット販売に関しては,まだまだ全体の5%程度の売上に留まっており,今後数年で10%程度まで成長させる計画です。(2014年は年率56%の売上高成長。)

競合状況

Sally Beauty, CVS Health Corporation, Regis Corporationなどが競合にあたります。

最近のマーケット状況

5年チャート

ulta-5yr-chart_20160311

日足チャート

3月10日の決算発表後,17%程度上昇しています。
チャート的にはカップ右端がやや崩れたカップ・ウィズ・ハンドルの形で新高値を更新しました。出来高も平均の2.5倍程度と大商いですし,テクニカルには買いだと思います。

ulta-daily-chart_20160311_annotate

先四半期のキャッシュフロー

ここ数期は美しいSPS, CFPS, EPSのバランスです。配当は行っていませんが,自社株買いを僅かながら行っています。

ulta-4q-cf-2015q4

直近株価評価

現在の株価は割高ですが,ここ5年の高成長を見る限りまだ高値を更新していく可能性は高いと思います。

現状 スコア 満点
機関投資家比率 89.0% 15 20
機関投資家の売買動向 -24.5% 0 12
インサイダーの売買動向 -0.5% 9 12
現在の株価(資産に対する割安度) $191.62 15 20
現在のPER(Forward) 27.77 0 20
現在の配当利回り 0.0% 4 16
43点 100点

10年ファンダメンタル分析

10年ファンダメンタル レーダーチャート

10年ファンダメンタル 得点表

流動比率が352%とキャッシュは潤沢であり,無理な負債に頼らずに店舗数拡大路線を継続できています。EPSの平均増加率は28%であり,成長が鈍化する兆しは見られません。

配当は2012年に一度出しましたが,無配に転じています。(株主還元策としては中途半端でいけません。)

5年平均 5年スコア 10年平均 10年スコア 満点
グロース株総合評価 225点 193点 400点
グロスマージン(粗利率) 34.7% 30 32.2% 30 40
営業キャッシュフローマージン 12.0% 0 11.5% 0 40
株主資本利益率(ROE)平均値(Net Income/Equity) 22.9% 15 20.5% 15 20
収益力評価 45点 45点 100点
営業キャッシュフロー増加率 17.5% 40 26.4% 40 40
フリーキャッシュフロー増加率 13.4% 32 -100.0% 0 32
EPS増加率 28.0% 28 28.3% 28 28
成長力評価 100点 68点 100点
自己資本比率平均値 60.7% 40 54.0% 40 40
流動比率(流動資産/流動負債) 352.0% 40 242.0% 40 40
クレジット格付け 0 0 0 0 20
財務健全性評価 80点 80点 100点
平均配当利回り 0.0% 7 0.0% 7 28
自社株買い利回り -1.3% 0 -3.1% 0 16
配当金増加率 -100.0% 0 -100.0% 0 28
配当性向(増配余地) 0.0% 0 0.0% 0 28
株主還元評価 7点 7点 100点
ブランド力 0 0 0 0 60
エコノミック・モート 0 0 0 0 40
定性的評価 0点 0点 100点

10年分析グラフ

営業CFは順調に成長していますが,一方で費用も結構嵩んでいます。支出の主な内訳は,新規出店および既存店舗の改装費用で,全体の4割を占めます。また,2015年はマーケティング費用の大幅増を見込んでいます。暫くは拡大路線に資金をつぎ込むということですね。

ulta-10yr-analysis

優良銘柄の条件

優良銘柄の条件 結果 判定 備考
条件3:他社と差別化できる優れた新製品を持つ  製品:×

サービス:○

基本はスタッフが差別化要素です。
条件5:主力製品の市場が長期的に拡大し続ける余地がある 美容品市場は拡大の一途です。
条件10:売上,営業キャッシュフロー,フリーキャッシュフロー,EPSのバランスがよい 小売りのためCFS, EPSは低めです。

One thought on “アルタ・サロン・コスメティックス・アンド・フラグランス(ULTA)企業分析

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です