ドイツ連邦銀行とGold

輝きをとりもどすGold

ドイツ連邦銀行(ブンデスバンク)はFRBに次いで世界第2位の金準備高を誇っています。

ドイツ連銀は伝統的に外貨準備をドルで保有するよりもGoldで保有することを好んできました。Goldは利息のつかない資産ですが,ドイツ連銀は「通貨の信用と安定の確保のためにGoldが必要」だとしてGold売却を一貫して拒否してきました。ドイツ連銀にとっては昔も今もGoldこそがリアルマネーでありドルなどの他国法定通貨(紙切れ)は信用していません。

そのドイツ連銀が,4月11日〜9月30日にかけてドイツ国内でGoldミュージアムを開催しており,Goldの歴史や現物の金塊・Goldコインを展示しています。flickerに投稿された写真を見ると圧巻の展示内容でGoldへの執着が伺えます。

勝利宣言

さて,ドイツ連銀がこのようなGold展示会を開いたのには理由があります。ドイツ連銀は伝統的にGoldをニューヨーク連銀やロンドン,パリのGold保有庫に保管されてきました。表向きの理由は冷戦の最中,ソ連の侵攻に備えてドイツ国内ではなく各国に分散保存していたのですが,本当の理由は敗戦国であるドイツは戦勝国である米国・英国・フランスから「リアルマネー」であるGoldを引き渡してもらえなかったというのが実情です。

しかし,この屈辱的な地位に甘んじるドイツではありません。2013年からはドイツ連銀が自前で管理するという政策に切り替えました。当初2020年までで行う予定だった移送は前倒しされ,今年に入りついに金準備のうち5割を超える量がドイツ国内に戻ってきました。

下図:2012年はドイツフランクフルトの金庫に保有するGoldは全体の3割にすぎませんでした。(FRBに5割,英国中央銀行,フランス中央銀行に合計2割保管)2013年以降国内への移送を続け,ついにフランクフルトに5割の金塊が戻ってきています!

ドイツ連銀のカール・ルートウィッヒ・ティーレ理事(右)もご満悦。左はドイツ連銀の貨幣学者のアレクサンダー・ルスケ氏です。ドイツは長期的に見てドルの覇権は終焉に向かうと見ており,金融危機によってうやむやにされる前にGoldを手元に置いておきたいという意図が感じ取れます。金融危機・システミッククライシスが発生すれば,いつもの超法規的措置が発動され掟破りの政策が実施されがちです。

万が一,Goldを他国(特にFRB)に預けた状態で金融危機が発生すれば,危機対応を最優先するためにニューヨーク連銀が勝手にドイツ保有分のGoldを売却してしまうことも考えられ,Goldの返却が後回しされることも危惧されます。私の読みでは2018年は景気拡大期のピークにさしかかっており,これからは下り坂,最悪の場合は金融危機が2019年〜2020年ごろに再発することも想定しています。ドイツ連銀も「(Gold返却をうやむやにされてしまう)有事」を先読みして,移送計画を3年間前倒しにしたと考えると今回の展示会の意図が読めてきます。

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