SPX weekly 2018/03/26-

先週はFOMCでの0.25%の利上げとトランプによる貿易摩擦への懸念から株式市場は大荒れとなりました。そして安全資産としての日本円,ゴールド,シルバーが買われています。当初の既定路線(Wボトム)へ一気に相場が動いたことで長期的な上昇トレンドが崩壊寸前の状況です。ここで踏ん張れなければ長期下げトレンドの始まりとみなしていいでしょう。過去の経験を振り返って見ても,中央銀行の利上げ・量的引き締めのフェーズに入ると一気にそれまでの上昇トレンドは崩れます。最悪を覚悟すべき時期に来ています。

振り返り

当初予想

ダウントレンドの上限SPX 2770ラインを突破することには成功しましたが2800の水準で上値が抑えられ,3/23には想定通りの2588レベルまで下落してしまいました。長期投資家であればまだ含み益が乗っているはずですが,ここまで予想通りの下げが到来するとさすがに手仕舞いを始める人も増えてくるでしょう。相場は「頭と尻尾はくれてやれ」が鉄則ですので,長期投資家が去っていくことを止めることはできません。

下図:3月頭時点での予想経路

今後の予想

今の2588ラインは2月8日,2月9日の底値支持線ラインです。ここに200DMAもあるので強いサポートとなりますが,一方で機関投資家のディストリビューションが継続すれば次は2500レベルまでの暴落を覚悟する必要があります。投げが投げを呼ぶ展開になれば,この2500のサポートラインでさえ維持できるかどうかは分かりません。フラッシュ・クラッシュさえも視野に入れておくべきでしょう。

投資の基本は「絶対に損をしないこと」です。ファンダメンタル的には企業業績やGDP成長率,雇用は好調を維持しているものの,中央銀行によるMBS売却により「低利率のリスクフリーマネー」が枯渇しつつあり,さらに貿易摩擦という悪材料が重なることを踏まえると一筋縄では行かない相場になるでしょう。少なくともFRBはトランプに責任を押し付けられる今後1〜2年のタイミングで可能な限りの利上げ・QTを行おうとしています。トランプの貿易摩擦はニュースになりやすい陽動・煙幕であり,黒幕はFRB(とその他中央銀行)による圧倒的な流動性の減速だと見た方がいいでしょう。

こうした状況を踏まえると以前から指摘している通り,長期的には日本円資産で保有するのが手堅いと見ています。これは中長期的にドル安継続と見ているためですが,腕に自身のある投資家にとっては今の株式市場は数年来のボラティリティーの高さであり,楽しい1年にになると思います。ゴルディロックス相場が終わった今が,まさに腕試しの絶好のタイミングですね。

  • 年:弱気 ※QT想定し長期流動性減少が致命的なダメージを与えると想定
  • 月:強気 ※2018夏ごろまでの好決算想定
  • 週:弱気 ※利上げや市場-中銀間の思惑違いで需給悪化(買い手が様子見)を想定
  • 日:強気 ※テクニカルなサポートラインでの反発を想定。

中長期的な分析に役立つ書籍

投資というのは,『(短期的・中期的・長期的)判断の精度』×『タイミング』でリターンが決まるゲームです。

以前に以下のリンクで紹介した『The Everything Bubble(債券・株式など全てがバブル。洋書) 』は『中長期的な判断の精度』を高めるのに役立つ本と言えるでしょう。著者のグレハム・サマーズ氏は万年弱気派ではありますが,多くの正確なデータに基づいて論点を組み立てており「中央銀行によるバブル発生の仕組み」「現在のバブルの規模」「バブル崩壊による相場混乱の影響・期間」を把握する上では大いに参考になります。

  • 長期強気派のバイブル:ジェレミー・シーゲル「長期投資」(百年スパンでの株式市場の成長性をデータに基づいて明らかにした本)
  • 中期弱気派のバイブル:グレアム・サマーズ「The Everything Bubble」(中央銀行によるバブル形成・バルブ崩壊のパターンがどんどん拡大し,最終的には壮大なバブル崩壊に行き着くという危機示唆本。日銀・FRB・ECBなど中央銀行ウォッチャーなら納得の内容。)

という感じで,両者をバランスよく把握しておくことをオススメします。日本の証券会社はカモを求めているため前者のジェレミー・シーゲルの書籍しか推薦しないでしょうが,それだけで儲けられるほど投資は簡単ではありません。

その他の指標

まさにエクストリーム相場です。素直にセンチメントだけを見ればハンマーを予想しますが,ここまでのエクストリームな相場になってくると何が起きるか分かりません。果たしてどう動くでしょうか。

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