SPX 2018/10/15-
SPXは前回(8/27)の予想通りの展開となりました。
ちなみに私は今(8/27)から数週間が収穫期だと捉えており,その後の秋〜冬の相場に対しては悲観的です。
この根拠はマイクロソフトのナデラCEOが持ち株の30%を処分するなど,インサイダーの売りが続いているからです。
さらにその前の5月には以下のように想定していました。
予想通り$2680ゾーンへの押しですね。昨日の安値$2675は強いサポートで守られ終値では$2692まで上昇しています。何回も書いている通り$2680ゾーンはリスク/リウォードとしては魅力的な価格帯です。月末にかけてのQTも乗り切れそうですし,次は反転上昇がどこまで伸びるかを期待する展開でしょう。
私は株式相場に対しては夏の新高値,秋〜冬〜来年前半の総崩れを予想しており,長期的にはリスクの高い相場になると考えています。
当ブログの読者の方は上記の相場観のもとで運用されていると思いますので,今回はノーポジション,あるいはショートで臨んでいた方が多いと思います。うまくタイミングをとらえられた方はおめでとうございます。
もともと,5月のGW期間中に「相場の教科書」シリーズを書き始めたのも,今年後半から来年にかけてのブル相場からベア相場への転換点を想定してのことです。少しでも役に立っているようであれば幸いです。
さて,株式市場に関しては「短期的には」明らかに売られすぎです。NASI,NAMOを見てください。
また,Fear&Greedを見てください。
マーケットのセンチメントを見ても,テクニカルな反発具合を見ても,短期的には底入れと見ます。今週以降反発し大きなドーム型の天井を形成すると見ています。
今の相場観は以下の通りです。株価が新高値を更新し続ける中で,8月,9月,10月とMACDは弱気のダイバージェンスを示し続けていました。これが8月27日に収穫期相場の終わりを予見した根拠です。今回の下げで一旦はアク抜けし,再度デッド・キャット・バウンスが始まると見ています。
季節性から言えば,11月〜1月までは世界的に株の最強のシーズンですが,ここで新高値をつけられなければベア・マーケット入りを想定してよいでしょう。私はFRB/ECB/日銀による金融引き締めにより流動性がネットでマイナスになっている状況では,株価の新高値更新はかなり難しいと見ています。今年の夏以降はついに日銀までもがテーパリングを開始し,いよいよ金融引き締め本番というところですね。
下図:2018年末〜2019年初にはネットでマイナスになる中央銀行資産
今年の秋以降〜来年にかけては,小反発しつつも最終的にはサポートラインをどこまで割り込むかが一番の見どころです。下げ相場はボラティリティーが高いので長期投資家には不向きですがデイトレード・スイングトレードには最高の環境を提供してくれます。腕試しといきましょう。
最後に,債券ですが債券イールド的にはまだわずかに上値(債券価格的には安値)を更新する可能性があると考えていますが,中期的に見て株式から債券への逃避の流れが加速すると考えています。これは相場の教科書にも書かれていますが,景気ピークアウト後のデフレ環境下では株式・商品を始めとするリスク資産が売られ,債券を始めとする安全資産が買われるためです。ドルがクラッシュすると話が少し変わってきます(ゴールドが買われます)が,欧州景気の減速・米中貿易戦争などの流れの中で相対的にドルが強い状況が続いているためゴールド買いの状況にはなっていないと考えています。やはり中期的・長期的に見てロングするなら債券の新安値をコツコツ買うというのがもっともローリスクでしょう。もちろん,下げトレンドの債券を買い下がることになるので多くの投資家は好まないと思いますが。
米国財務省証券10Yのイールドを掲載しておきます。2007年ごろの状況と2018年の今とをじっくり比較してみてください。クラッシュのタイミングを正確に知るのは難しいですが,着実に相場のクラッシュが近づいていることは感じ取れると思います。このウェッジのブレイクダウンのタイミング(すなわち,債券価格が急騰するタイミング)を注視していきましょう。
はじめまして。
年初の頃から貴ブログを拝見させて頂いております。
いつも示唆に富んだご見解、己の投資戦略において大変参考になります。
特に『相場の教科書』は、惜しげもなく相場サイクルに係る本質に触れられていて、色々相場の書籍も漁りましたが、まだまだ勉強不足を痛感しました。
ただの感想投稿となり恐縮ではありますが、今後も貴ブログを楽しく拝見させて頂きながら、己の相場戦略を練って参りたいと思います。
ANCさん>
コメントありがとうございます。すみません,返信が遅れました。
最近は更新頻度が下がっていますが,相場の変曲点では記事を投稿していくつもりです。
今はまさに米国景気サイクルの末期に差し掛かっていると考えています。
FRBの金融政策次第でいつ風船が弾けるかを半年から2,3年かけて見守っていく段階に来ていますので,
そういう観点で相場をお楽しみください。
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