Principles

レイ・ダリオのベストセラー書籍「Principles」にならいPrinciples(記事執筆の原則)を定めました。

当ブログのPrinciples

当ブログは「信頼,客観性,有益性」の三つのPrinciplesに基づいて運用します。

  1. 信頼

    インターネット社会に公開されたメディアの一旦を担うものとして信頼を最重視します。
    ・データの捏造,意図的な抽出,改変などは行いません。
    ・編集者・管理人である私個人の利益に繋がるような記事は書きません

  2. 客観性

    編集者の不勉強・バイアスによって正確な内容を提供できない可能性を考慮し,可能な限り判断の根拠となるデータを提供するように努めます。
    ・根拠データとしては,中央銀行,財務省などの公的機関や,投資メディア(IBD, Thomson Reuterなど)を重視します。

  3. 有益性

    本ブログは,正確な投資判断に繋がるような有益な情報を提供できるよう努めます。
    ・長期株式投資に関してはファンダメンタルズ・モート分析をベースとした企業の10年スパンでの事業・業績分析を中心に情報提供を行います。
    ・短期投資に関してはテクニカルを重視した分析,機関投資家のポジションを重視しています。
    ・各国の金融政策,外交政策,財政政策などに基づいたファンダメンタルズも考慮に入れた分析を行います。

投資家としてのPrinciples

投資家としての原則はブログ記事執筆の原則とは異なり,より私個人の経験や弱点に依拠したものが中心になります。長年のキャリアの中で多くの投資家の手法を学び,自分にフィットするものだけを取り入れた結果なので万人向けではないことをご承知おきください。

  1. 不祥事企業・悪徳企業には投資しない

    私は投資というのは単なる金儲けではなく,社会にとって持続的に有益な事業・経営者にファンディングすることであると考えています。そして,この「社会にとって持続的に有益かどうか」「社会に害悪を与えていないか」という尺度は長期的に事業を継続し成長を続ける上での基本中の基本す。不祥事が発覚した企業は投資先から外します。

  2. 絶対に損をしない

    ウォーレン・バフェットのこの言葉を座右の銘として投資に取り組んでいます。
    投資はリターンだけを得るものではなく「リスク+リターン」を同時に得るものです。私の経験上,優れた企業への投資判断を行うときほど「損をしない」という覚悟が希薄になりがちでした。そして,優れた企業は優れた業績を叩き出すはず,そして投資家への高いリターンをもたらすはずだという幼稚な考えは常に裏切られてきました。今は「絶対にをしない」すなわちリターンではなく「リスクが最小限になるよう銘柄・ポジション・ポートフォリオ・タイミング全てを完璧にコントロールする」ことが投資家としての使命だと考えて投資を行っています。

  3. 傲慢にならない

    傲慢になるな。謙虚になれ。この言葉はレイ・ダリオの「Principles」から借用しています。
    レイ・ダリオはブリッジウォーター・アソシエイツの創生期の1981年にゴールド・債券の高騰と株式の暴落に賭けました。当時,インフレと不況が混在するスタグフレーションの時期であり,インフレに強いゴールドが買われ,また暴落する株式市場からの逃避で債券が買われました。予想がドンピシャで当たったわけです。しかし,その予想的中で傲慢になったレイ・ダリオはその先までは予測できませんでした。スタグフレーションに対応するためFRBが利下げと流動性供給を行い,1982年以降インフレは収まり,株式市場が長期上昇相場に戻ります。そして,ブリッジウォーター・アソシエイツは大損害をこうむり,従業員を全員解雇しレイ・ダリオ一人だけになるところまで追い込まれました。すなわち,曲がったのです。
    レイ・ダリオほどではないですが,私も株式投資においてあらゆるファンダメンタル・テクニカルが買いシグナルを出す銘柄に遭遇し,単騎投資で大成功を納めたことがあります。そして皮肉にも大成功を納めたその銘柄で一転して大失敗したということが一度ならず何回かあります。
    傲慢とは「自信+怠慢」であり,謙虚とは「不安+勤勉」です。そのため傲慢・謙虚それぞれに一長一短ありますが,やや自信過剰と知的怠慢に陥りがちな私は,意識的に謙虚になることで相場に立つ時の精神のバランスを適切な位置に保てるよう努めています。

  4. バブルには乗らない

    バブルに陥っている商品や相場は,ファンダメンタル分析やバリュエーション分析が見事に役に立ちません。バブル相場になればなるほど最後は丁半博打となります。そして勇気を持って最後のパラボリックな上昇に付き合い,頂点で売り抜けることに成功したごく一部の投資家だけが生き残り,それ以外の多くの投資家は中途半端な高値づかみしたまま身動きが取れずに損を抱えて沈んでいくという過去をというほど見てきました。
    バブルは理性を失わせ,長期投資家・ファンダメンタル投資家のエッジである分析力やバリュエーション判断の能力を曇らせます。そのため,どれほどチャートが魅力的であろうとバブルには決して乗らないことを投資方針として決めています。

  5. コバンザメ投資は行わない

    ウォーレン・バフェットの初期の投資スタイルは,ベンジャミン・グレアムに心酔するあまり,グレアムが買った銘柄だから買うというひどいコバンザメ投資家でした。その心酔ぶりはストーカーのようであり,グレアムの大学講義を受講し,グレアムの経営するファンドに入社したほどです。しかし,のちにグレアムが引退し,自らの資産運用会社を設立して以降,バリュエーションと事業価値成長性の双方を使いこなすバフェット流が誕生します。もし,コバンザメ投資家のままなら今のバフェットはいないでしょう。
    投資とは結果を最大化するゲームではなく,将来性のある企業を見抜き,タイミングよく,適切なサイズで投資するという探索・分析・投資というプロセスを競うゲームです。この探索と分析の大半は空回りに終わり,その結果下した投資判断についても半分は間違っており,無駄も苦労もストレスも多いです。
    しかし,ウォーレン・バフェットやジョージ・ソロス,村上世彰などの著名な投資家が引退せずに生涯投資家になっている理由は,この終わりなきプロセスに中毒性があり楽しくて仕方がないからでしょう。私もそうした投資家の一人です。コバンザメ投資は投資プロセスの重要な醍醐味である探索・分析というフェーズをアウトソーシングしているようなものであり,私はどんな小さな投資であっても他人の受け売りで売買するのは避けるとことをゲームのルールとしています。