JD.com(JD) 企業分析

JD.com(JD)が2017年Q1決算でコンセンサスを上回り,+8%のギャップアップを記録しました。株価は2014年のナスダック上場以来の新高値を付けています。

企業ホームページ

JD.com

セクター

セクター: 一般消費財・サービス

企業概要

JD.com(京東商城 )は1998年創業のEコマースサイトです。2014年にNASDAQに上場しました。

JD.comは中国最大の消費者向けオンラインショッピング企業「京東商城 (Jing dong でジンドンと呼びます)」です。中国最大というとアリババ(BABA)集団の名前が有名ですが,取扱点数ではアリババが1位,売上高ベースではJDが1位であり,両社がそれぞれ中国最大手を名乗っています。

アリババは元々は企業間のオンラインマッチングをやる問屋からスタートしているため,アマゾン・マーケットプレイスやe-Bay(EBAY),楽天市場のような形態に近いです。また,IT企業としての能力も高く,AliPay(支付宝)というオンライン支払いサービスやAliCoudというクラウドコンピューティングサービスを急成長させており,アマゾン(AMZN)の「企画部門,マーケットプレイス部門,ウェブ・サービス部門,ファイナンシング部門」が集まったかのようなITコングロマリットです。

一方,JD.com(京東)はというとダイレクト販売が売上の9割以上を占めている根っからの商店であり,マーケットプレイスからの収益は1割程度です。近年では,マーケットプレイスも成長してきていますが,直販中心である体質には変わりありません。また,この直接販売で培った流通・運輸に関するサービスは群を抜いており,幅広い地域で即日配達などを行なっています。

中国は地域によって流通の質に雲泥の差があるため(物が届かないとか,壊れたとか,盗まれたとか),直販+ラスト1マイルまでの宅配サービスで高い質を保っているというのは大きな差別化ポイントです。

以上のように,B2Bのアリババ,B2CのJD.comという違いはありますが,どちらも商売魂溢れる優良中国企業です。

経営陣

CEO:劉強東

規模

従業員数: 120,622名

近況

2017年5月8日に発表された2017年Q1決算ではコンセンサスを260%も上回るとんでも無い好業績を記録しています。これまであえてEPSを計上しないように経営されてきましたが,今期は過去最高の利益を計上しています。

jd_2017q1_earnings

JD.comで特筆すべきはその売上成長率の高さです。上場してわずか2年で売上高が2倍に伸びるという急成長であり,中国のインターネット人口の増加,Eコマースの普及を追い風にして爆発的にユーザーを増やしています。アマゾン(AMZN)が目先の利益を追わないのと同様に,現在のJD.comはシェア拡大を優先しておりEPSは計上していません。この売上拡大戦略はネットワーク効果を狙うインターネット企業では一般的であり中国でも類似の経営思想が広まっていることが伺えます。

jd_sps_growth

JD.comはアクティブ顧客数の数でも成長が際立っています。2014年に9060万人だった顧客アカウント数が,2017年には2億3650万人へと爆発的に増加。モバイアルアプリなどから購買できる手軽さと口コミがJD.comの支持基盤を増やしています。

2億人のロイヤルティーの高い顧客を抱えているというのは世界でも有数のワイドモート企業だと言えます。

セグメント

JD.comの売上は大きく二つのセグメント(というより製品群)に分けられています。

元々は家電の取扱比率が高かったのですが,近年では家電以外の製品の売上が爆発的に急増しており(2014年から2016年の間で3倍に増加),家電:一般=1:1の比率になっています。今のペースを考えると家電依存体質からは近い将来脱却する可能性が高いでしょう。それはより耐久家電にありがちな数年サイクルのシーゾナリティが弱まることを意味しており安定的な業績を上げ続けることに繋がります。

2016年比率
家電製品 49.8%
一般商品 50.2%

市場

中国は2015年時点で世界最大のオンラインショッピング顧客5.2億人を抱えています。2010年からわずか5年で4倍の人々がオンラインショッパーになっており,その成長は止まりそうにありません。

EUの人口7億人には及びませんが,ほぼ同等のオーダーです。chinese_online_sales

スターバックスのハワード・シュルツCEOが恐れたアマゾン・エフェクトが中国では最速で過激に進行中だと考えて良いでしょう。11月11日の独身の日には午前0時からオンラインショッピングの祭りが始まり,アリババ1社でも1日で2兆円もの売上を記録しています。(2016年11月11日)

こうした世界最大であり,かつ世界最速のEコマース市場で売上高ベースで王者に君臨するのがJD.comです。

この巨大な商業圏はまだ中国全体の小売業の規模の13.8%(2016年)にすぎず,中国農村部の「unwired(ネットに接続できない人々)」がこれから爆発的にスマートフォンを使ってオンラインショッピングに目覚めるであろうことを想定すると,JD.comやアリババといった中国オンライン大手は長期的に成長し続ける余地を十分に残しています。

China-Online-Retail-Market-2006-2020

 

競合状況

アリババのtaobao.comやtmall.comが主な競合です。特にB2B分野ではアリババが圧倒的に優位に立っています。またアマゾン・チャイナ(amazon.cn)も競合です。

最近のマーケット状況

jd_20170508_weekly

jd_20170508_daily

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です