ナイキ(NKE) 企業分析
目次
企業ホームページ
セクター
一般消費財
企業状況
スポーツ用品の製造・販売で世界首位です。子会社にコンバースやハーレーを保有しており,アパレル分野にも展開しています。オリンピックやワールドカップなど世界的スポーツイベントの後援やプロ選手との契約を通じたマーケティングで成功し,市場を拡大しています。
女性向け製品やネット通販ではまだ開拓余地を残しています。今後はIT分野との融合が鍵とされ,Nike+をはじめとしたスポーツ情報管理などのサービスも提供しています。
ナイキの主要製品は売上の6割を占めるフットウェアです。アパレルは残りの3割超程度です。アンダーアーマー(UA)がコンプレッションウェアを始めとするアパレルを主力製品として急成長したのと比べると,逆のバランスであり,日本のアシックスに近いですね。
2015年は世界的に売上を伸ばしました。ドル高の影響を受けたものの増収増益を維持しています。採算性の高いネット通販も伸びており,増益が続く見通しです。
成長市場
フットウェア市場は世界人口の増加,世界の中間層の増加に伴い今後も成長を続ける市場です。
以下の全世界でのフットウェア市場売上成長予測は,ナイキ(NKE)の所属するアスレティック・フットウェアだけではなく,一般的な婦人靴などを含めたものなので注意が必要ですが,おおむねCAGR5%での成長が見込まれています。
競合状況
主要な競合はアディダス,VFコーポレーション(VFC),アンダーアーマー(UA),プーマなどです。ここ数年の顕著な傾向として,ナイキとアンダーアーマーの二社がアディダスやプーマを駆逐している状態です。特に米国市場におけるアディダスの凋落ぶりは顕著です。
したがって,アンダーアーマー(UA)の急成長で脅かされる心配は当面無く,着実に成長路線を歩むと思います。
最近のマーケット状況
5年チャート
直近では調整中ですが,200日移動平均線(40週移動平均線)の上まで回復しています。
日足チャート
先四半期のキャッシュフロー
直近株価評価
現状の株価は割高です。成長余地を加味しても評価され過ぎなので買い場が難しいところです。今の株価で1年間ぐらい留まっていて欲しいと思います。
現状 | スコア | 満点 | |
機関投資家比率 | 84.0% | 15 | 20 |
機関投資家の売買動向 | -0.7% | 3 | 12 |
インサイダーの売買動向 | -23.7% | 0 | 12 |
現在の株価(資産に対する割安度) | $59.31 | 0 | 20 |
現在のPER(Forward) | 23.92 | 5 | 20 |
現在の配当利回り | 1.1% | 8 | 16 |
31点 | 100点 |
10年ファンダメンタル分析
10年ファンダメンタル レーダーチャート
小売業であるため収益力にはやや欠けますが,5年,10年共に安定した成長力と財務健全性を維持しています。
10年ファンダメンタル 得点表
以下の得点表においてナイキ(NKE)はS&P500,S&P Mid Cap400の計900銘柄中第1位の得点となりました。高いブランド力によるワイド・モートに守られ高グロスマージンを維持していますし,成長はむしろここ5年で加速しています。流動比率も圧倒的に盤石です。
5年平均 | 5年スコア | 10年平均 | 10年スコア | 満点 | |
配当株総合評価 | 426点 | 416点 | 500点 | ||
グロスマージン(粗利率) | 44.7% | 40 | 44.9% | 40 | 40 |
営業キャッシュフローマージン | 10.9% | 0 | 11.0% | 0 | 40 |
株主資本利益率(ROE)平均値(Net Income/Equity) | 23.1% | 15 | 22.7% | 15 | 20 |
収益力評価 | 55点 | 55点 | 100点 | ||
営業キャッシュフロー増加率 | 20.9% | 40 | 10.9% | 30 | 40 |
フリーキャッシュフロー増加率 | 21.9% | 32 | 10.8% | 32 | 32 |
EPS増加率 | 11.0% | 28 | 10.9% | 28 | 28 |
成長力評価 | 100点 | 90点 | 100点 | ||
自己資本比率平均値 | 62.6% | 40 | 64.6% | 40 | 40 |
流動比率(流動資産/流動負債) | 285.4% | 40 | 291.2% | 40 | 40 |
クレジット格付け | 17 | 20 | 17 | 20 | 20 |
財務健全性評価 | 100点 | 100点 | 100点 | ||
平均配当利回り | 1.3% | 14 | 1.5% | 14 | 28 |
自社株買い利回り | 1.9% | 8 | 1.7% | 8 | 16 |
配当金増加率 | 12.5% | 28 | 14.5% | 28 | 28 |
配当性向(増配余地) | 29.7% | 21 | 29.7% | 21 | 28 |
株主還元評価 | 71点 | 71点 | 100点 | ||
ブランド力 | 80 | 60 | 80 | 60 | 60 |
エコノミック・モート | Wide | 40 | Wide | 40 | 40 |
定性的評価 | 100点 | 100点 | 100点 |
10年分析グラフ
右肩上がりの高成長です。将来の成長余地も十分で,業績という観点からは安泰な株の一つです。利益率を見ても不安定な要素はほとんどありません。
優良銘柄の条件
優良銘柄の条件 | 結果 | 判定 | 備考 |
条件3:他社と差別化できる優れた新製品を持つ | ナイキブランドこそが差別化の要素。 | ○ | |
条件5:主力製品の市場が長期的に拡大し続ける余地がある | 市場成長余地はまだまだあり。シェア拡大の余地もまだまだ。 | ○ | |
条件10:売上,営業キャッシュフロー,フリーキャッシュフロー,EPSのバランスがよい | 2012年あたりはEPS>フリーCFになっており,美しくありませんでしたが,2015年には美しいバランスを取り戻しました。 | ○ |
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