ヤム!ブランヅ(YUM) 企業分析

ヤム!ブランヅ(YUM)はケンタッキー・フライド・チキンなどのフランチャイズを運営するファストフード大手です。経営スタイルは民主的でオープンです。アニュアルレポートを見ていても,前半6割ぐらいを割いて各ボードメンバー一人一人の経営成績を公開し,その成績に対する評点(Yum score)を算出し,インセンティブとしてボーナスやストックオプションをいくら支払う云々といったことが書かれています。株主は株主総会で投票してこうした経営陣への給与・インセンティブの支払いにゴーを出すかどうか決めることができます。

企業ホームページ

Yum!brands

Annual Reports

セクター

一般消費財・サービス(レストラン)

企業概要

ヤム!ブランヅ(YUM)は,マクドナルド(MCD)と並ぶファストフード・フランチャイズ大手です。傘下にはKFC(ケンタッキー・フライド・チキン)やピザハット,タコスのタコベルなどがあります。

1997年,ペプシコ(PEP)からスピンオフして上場した比較的若い会社です。2002年に社名変更し,現在のヤム!ブランヅとなりました。

2016年末にはYum China名義でヤム!ブランヅ傘下の一セグメントだった中国部門をスピンオフし,独立させる予定です。

経営陣

CEO:グレッグ・クリード

規模

従業員数:505,000
拠点:130カ国,42,000店舗
地域別売上:中国が売上の5割を占め,海外売上比率高いです。

セグメント

中国での売上が全体の半分を占めます。中国・インド以外は,ブランドごとにKFC,ピザハット,タコベルのそれぞれの部門に分類されていますが,売上は横ばいで伸びていません。

yum-segment-sales

中国がやはりセグメントとしては最大の利益を稼ぎ出してはいますが,売上の規模の割には収益性はよくありません。

yum-segment-earnings

市場

外食産業の市場は年率3%程度で成長見込みです。成長余地はまだまだありますが,ヤム!ブランヅは成長できていません。

Global-food-services-sales-forecast-2013-2017

競合状況

マクドナルド(MCD)と同じく伸び悩んでいますが,イースターブルックCEOのもとでフランチャイズ化を強化して(95%まで引き上げる)収益性を高めようとしているマクドナルドと比べれば,ヤム!ブランヅ(YUM)の方はいまいち戦略がよく分かりません。中国事業を切り離すことがその解なのでしょうか?

シナリオ(SWOT)

機会 脅威
強み  ドル安

中国の景気回復

弱み  ドル高
中国経済の停滞

 

最近のマーケット状況

25年チャート

yum-25yr-chart20160503

5年チャート

yum-5yr-chart20160503

日足チャート

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先四半期のキャッシュフロー

自社株買いを積極的に行う姿勢は良いですが,ほぼ借入金でまかなっています。

yum-cf-201604

10年ファンダメンタル分析

10年ファンダメンタル レーダーチャート

ここ5年は出店ペースも鈍化し,成長性を失いました。成長性の鈍化はマクドナルドも似たようなものですが,2015年以降の期待感という意味ではイースターブルックCEOへの交代が功を奏しています。

ヤム!ブランヅのターンアラウンドはまだ先でしょうか。

10年ファンダメンタル 得点表

マクドナルド(MCD)よりもグロスマージンが10%以上低いです。自社株買いのおかげで自己資本比率が11%台にまで下がっており,ROEは高いですが,Revenueが伸び悩む中でEquityを減らしているだけなのであまり高い評価はできません。配当性向は78%にまで上がってきており,EPSが改善しなければ増配余地も少ないです。

5年平均 5年スコア 10年平均 10年スコア
配当株総合評価 217 271
グロース株総合評価 非該当 非該当
グロスマージン(粗利率) 26.5% 24 26.1% 24
営業キャッシュフローマージン 16.3% 7 15.9% 7
株主資本利益率(ROE)平均値(Net Income/Equity) 77.6% 20 79.0% 20
有機的成長率(ROE x 内部留保率) 30.5% 12 47.9% 12
無機的成長率(BPS成長率) 0.1% 0 5.7% 2
収益力評価 63 65
営業キャッシュフロー増加率 -0.3% 0 5.1% 20
フリーキャッシュフロー増加率 -1.1% 0 5.4% 24
EPS増加率 1.3% 7 7.2% 21
成長力評価 7 65
自己資本比率平均値 20.6% 20 18.7% 10
流動比率(流動資産/流動負債) 74.7% 0 72.4% 0
クレジット格付け 1 0 1 0
財務健全性評価 20 10
平均配当利回り 2.1% 21 2.1% 21
自社株買い利回り 1.6% 8 2.4% 12
配当金増加率 10.2% 28 20.1% 28
配当性向(増配余地) 46.2% 0 36.9% 0
株主還元評価 57 61
ブランド力 41 30 41 30
エコノミック・モート Wide 40 Wide 40
定性的評価 70 70
機関投資家比率 80.0% 6 80.0% 6
機関投資家の売買動向 -8.3% 2 -8.3% 2
インサイダーの売買動向 -0.2% 6 -0.2% 6
現在の株価 103.1% 9 103.1% 9
現在のPER(Forward) 19.62 8 19.62 8
現在の配当利回り 2.3% 12 2.3% 12
(配当+自社株買い)利回り 3.9% 8 4.4% 12
疑似債権成長率 53.7% 4 53.7% 4
直近株価評価 55 59

10年分析グラフ

期待感が薄れたのか,PERは19倍(Forward PER)と下がってきています。

財務的に見ても流動資産<流動負債となっており,流動比率は現在54.7%です。不健全なまでに借入金で自社株買いを行いEPSを高めに見せてきたのですが,さすがに心配になる財務状況です。

たとえ割高でもマクドナルド(MCD)を買った方がいいと思わせられる業績ですね。

yum-10yr-analysis

優良銘柄の条件

優良銘柄の条件 結果 判定 備考
条件3:他社と差別化できる優れた新製品を持つ 新製品特になし。 ×
条件5:主力製品の市場が長期的に拡大し続ける余地がある 新興国中心に拡大余地は十分にあり
条件10:売上,営業キャッシュフロー,フリーキャッシュフロー,EPSのバランスがよい 小売業だけ合ってCFマージンは低い。

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