フィリップ・モリス・インターナショナル(PM) 企業分析

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Phillip Morris International

セクター

生活必需品(タバコ)

企業状況

フィリップ・モリス・インターナショナル(PM)は世界2位のたばこ会社です。2008年にアルトリア・グループ(MO)の米国外事業を分離して誕生しました。すなわち,海外売上比率100%の純国際企業です。

世界売上首位のマルボロ(Marlboro)ブランドをはじめ,世界トップ15銘柄のうち6銘柄(MarlboroのほかL&M, Phillip Morris, Lark, Parliament, Chesterfield)を保有しています。

特に先進国ではたばこへの規制や増税,広告の禁止,訴訟などの逆風が強く,また米国上場企業でありながら米国外で販売しているためドル高の影響が大きい業態です。今後は比較的喫煙率の高い国や新興市場にて販促を狙っています。2014年にはイギリス最大の電子たばこメーカーのNicocigsを買収しています。

成長市場

アルトリア・グループ(MO)が米国内という衰退市場を相手にしているのに対し,グローバルで見るとたばこは成長市場です。特にアジアを中心とする新興国では中間層の増加により,中国・インドネシアを始めとして喫煙文化が普及しています。

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いわゆる西側諸国では1970年以降,たばこの販売数は減少していますが,東側諸国である中国ロシアや新興国ではまだまだたばこは嗜好品としての地位を保っています。

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いまやアジア太平洋地域において,全世界の65%のたばこが消費されています。

競合状況

世界首位は中国政府保有の中国たばこ(44%)です。

企業 シェア ブランド
中国たばこ(CNTC) 44% (売上の97%が中国国内)
フィリップ・モリス(PM) 15% Marlboro(1位),L&M, Phillip Morris, Lark, Parliament, Chesterfield
ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT) 11% Lucky Strike, Kent, Dunhill
日本たばこ(JTI) 9% Mild Seven
インペリアル・タバコ 5% Davidoff, Gauloises, West, Winston, KOOL

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最近のマーケット状況

5年チャート

ドル高傾向により2013年以降ドル建ての売上高が悪化しています。そのため,株価はボックス圏に留まっています。利上げによりドル安に進めば売上高は改善します。

pm-5yr-chart

日足チャート

pm-daily-chart-20160205

直近株価評価

機関投資家比率が5%と極端に少なくなっています。理由はよく分かりませんが,純インターナショナル企業というのが機関投資家受けしないのでしょうか。

現状 スコア 満点
機関投資家比率 5.0% 0 20
機関投資家の売買動向 N/A 12 12
インサイダーの売買動向 -2.2% 9 12
現在の株価 $89.55 20 20
現在のPER(Forward) 18.85 10 20
現在の配当利回り 4.6% 16 16
67点 100点

 

10年ファンダメンタル分析

フィリップ・モリス(PM)は2012年以降,負債を配当および自社株買いに充てることで株価を維持してきました。現在,株主資本はマイナス表示となり算定不能です。同じくPBRもマイナスで算定不能です。

したがって,以下の財務健全性評価で異常に悪い数字にはなっていますが,塩漬けにされた自社株(資産)の評価をどうするのかという問題とからんできます。ドル高によって株価が下がれば資産価値は下がり,ドル安によって株価が上がれば資産価値も上がるということで,今後の株価の推移を見守るしかありません。

財務健全性を除けば,ドル高による営業CF,フリーCFの減少が直近5年間の大きな問題点です。配当性向62%から判断すると数字的にはまだ増配余地はあるのですが,原資であるフリーCF自体が減少しているので為替の傾向が反転しない限り増配を続けるのは苦しいと思います。

5年平均 5年スコア 10年平均 10年スコア 満点
配当株総合評価   235点   294点 500点
グロース株総合評価 非該当 非該当 非該当
グロスマージン(粗利率) 65.7% 40 64.2% 40 40
営業キャッシュフローマージン 31.4% 30 30.4% 30 40
株主資本利益率(ROE)平均値(Net Income/Equity) 0.0% 0 52.3% 20 20
収益力評価 70点 90点 100点
営業キャッシュフロー増加率 -3.9% 0 4.1% 10 40
フリーキャッシュフロー増加率 -5.5% 0 4.1% 16 32
EPS増加率 4.0% 14 6.0% 21 28
成長力評価 14点 47点 100点
自己資本比率平均値 -11.0% 0 13.3% 10 40
流動比率(流動資産/流動負債) 100.4% 10 119.4% 10 40
クレジット格付け 14 15 14 15 20
財務健全性評価 25点 35点 100点
平均配当利回り 4.9% 28 4.4% 28 28
自社株買い利回り 3.2% 16 3.0% 12 16
配当金増加率 9.7% 21 9.7% 21 28
配当性向(増配余地) 62.6% 21 62.2% 21 28
株主還元評価 86点 82点 100点
ブランド力 0 0 0 0 60
エコノミック・モート Wide 40 Wide 40 40
定性的評価 40点 40点 100点

 

10年分析グラフ

pm-10yr-analysis

優良銘柄の条件

優良銘柄の条件 結果 判定 備考
条件3:他社と差別化できる優れた新製品を持つ  なし × 強力な新製品 なし。
条件5:主力製品の市場が長期的に拡大し続ける余地がある  成長市場 新興国市場は成長余地あり。ドル高でみると増加せず。
条件10:売上,営業キャッシュフロー,フリーキャッシュフロー,EPSのバランスがよい  最近はいまいち美しくない。 × 2014年あたりが営業CF,フリーCF減少により無理に配当を出している構図が見えます。

BPS(一株当たり資産)がマイナスです。

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