レイノルズ・アメリカン(RAI) 企業分析

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Reynolds American

セクター

生活必需品(タバコ)

企業状況

全米第二位のタバコメーカーです。主要なブランドとしてCamelやPall Mallなどを保有しています。日本では日本たばこ産業(JT)を通じて販売しています。2015年6月に競合の全米三位ロリラード社を買収しました。この買収により全米売上第二位のメンソール・タバコブランド「ニューポート」を手に入れました。

ロリラード買収の際に独占禁止法抵触を回避するために「マーベリック」「クール」「セーラム」「ウィンストン」や売れ筋の電子たばこ「ブルー」などのブランドを競合の英国インペリアル・タバコ・グループに売却することで当局の承認を得ました。

買収の結果,従来たばこのラインナップは強化されましたが,電子たばこにおいては弱体化したことになります。

衰退市場

全世界的な傾向ですが1950年代に喫煙と肺がんの相関が示唆されて以降,消費者の健康志向の高まりによってここ40年間たばこの販売本数は減少を続け,一人当たりのたばこ消費量はピークから半減しています。また,訴訟問題もあとをたたず,増税も続いており,たばこ産業への逆風は日本と変わりません。

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競合状況

買収の結果,米たばこ市場でのアルトリア(MO)のシェアは推定47%,レイノルズ・アメリカン(RAI)はロリラード買収でシェアが推定34%,インペリアルは推定10%という順序になりました。アルトリア(MO)とレイノルズ・アメリカン(RAI)の2社だけで全米シェア81%を占める寡占市場となっています。この寡占状態のお陰で,販売数が減少する中でも,値上げによって売上高減少幅を抑えることができています。

以下のランキングでMarlboro(1位)はアルトリア(MO),New Port(2位),Pall Mall(3位),Camel(4位)はレイノルズ・アメリカン(RAI),Winston(5位)以下にインペリアル・タバコという棲み分けになっており,上位はアルトリアとレイノルズの2社ががっちり固める体制となりました。

tobaco-brand-ranking

最近のマーケット状況

5年チャート

高配当を維持し続けており着実に株価は上昇しています。

rai-5yr-chart

日足チャート

直近では下値の目安は$45のサポートラインと50日移動平均線の$46あたりです。

rai-daily-chart-20160205

直近株価評価

現状 スコア 満点
機関投資家比率 48.0% 0 20
機関投資家の売買動向 17.5% 12 12
インサイダーの売買動向 14.8% 12 12
現在の株価 $47.53 15 20
現在のPER(Forward) 20.31 5 20
現在の配当利回り 3.0% 16 16
60点 100点

直近の四半期で機関投資家が買い越しています。ほかの銘柄の大半は前回の四半期で売り越しなので,相場に左右されにくいということが言えます。ポートフォリオを構成する上で,全ての銘柄が同じトレンドで動くのは好ましくないため,ディフェンシブ株として一定の比率で保有しておきたい銘柄です。

10年ファンダメンタル分析

収益力・成長力・財務健全性・株主還元・定性評価の5つの評価軸で分析します。

レイノルズ・アメリカン(RAI)評価は直近5年で291点/500点でした。競合のアルトリア・グループ(MO)は328点でしたので僅かに劣りますが,大きく差が付いたのはブランド力でした。マルボロに対抗できるブランドとして手に入れたニューポートをどこまで拡販できるかが焦点になります。

配当性向は90%近くに達しており,増配余地は少ないです。配当原資であるフリーCFの伸び率が5年平均で+2.0%に対して,増配率は+5.4%であるため,いずれ増配は頭打ちになります。(最近で言うとIBMなどが同様ですが,フリーCFの伸び無しでEPS増・増配を続けることは出来ません。)うまく買収を行って売上を伸ばし,フリーCFを増やすほかありません。

5年平均 5年スコア 10年平均 10年スコア 満点
配当株総合評価   291点   259点 500点
グロスマージン(粗利率) 50.0% 40 46.8% 40 40
営業キャッシュフローマージン 17.1% 10 16.3% 10 40
株主資本利益率(ROE)平均値(Net Income/Equity) 22.1% 15 18.8% 10 20
収益力評価 65点 60点 100点
営業キャッシュフロー増加率 5.1% 20 2.5% 10 40
フリーキャッシュフロー増加率 5.4% 24 2.0% 8 32
EPS増加率 7.8% 21 4.6% 14 28
成長力評価 65点 32点 100点
自己資本比率平均値 34.3% 30 37.1% 30 40
流動比率(流動資産/流動負債) 109.8% 10 121.3% 20 40
クレジット格付け 12 10 12 10 20
財務健全性評価 50点 60点 100点
配当利回り推移 6.3% 28 7.7% 28 28
自社株買い利回り 1.8% 8 1.0% 4 16
配当金増加率 7.8% 21 9.7% 21 28
配当性向(増配余地) 89.2% 14 85.9% 14 28
株主還元評価 71点 67点 100点
ブランド力 0 0 0 0 60
エコノミック・モート Wide 40 Wide 40 40
定性的評価 40点 40点 100点

10年分析グラフ

rai-10yr-analysis-2016

今後2年間の売上増はロリラード買収によるものです。営業CFの大半をフリーCFとして使うことができ,さらにその大半を配当に回しています。

優良銘柄の条件

優良銘柄の条件 結果 判定 備考
条件3:他社と差別化できる優れた新製品を持つ  なし × 電子たばこ「ブルー」をインペリアルに売却し,強力な新製品 なし。
条件5:主力製品の市場が長期的に拡大し続ける余地がある  衰退市場 ×  ここ10年の売上高成長率はほぼ横ばいでした。買収効果による売上増が唯一の期待です。
条件10:売上,営業キャッシュフロー,フリーキャッシュフロー,EPSのバランスがよい  美しい  新規投資CFはほぼ必要としない業態です。

 

 

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