セクター分析(1) ヘルスケアセクターの医薬品グループ

※見直してみるとファーマ(医薬品・バイオテクノロジー)のことしか触れていなかったためタイトルを変更しました。

今までセクター分析をほとんどしてこなかったので,手始めにヘルスケアセクターから着手します。といっても,ヘルスケアセクターは疾患によって主要企業が入れ替わるため,まずはマクロに市場規模から見ていきます。

ヘルスケア市場 疾患別売上

2008年〜2015年までのヘルスケア市場における処方薬の市場規模は下図のとおりとなっています。出典:IMS Health

※一部データが抜け落ちていますが,これはIMSヘルスのデータからランク外に落ちたカテゴリーや,新たに追加されたカテゴリーなどがあるためです。たとえば,ギリアド・サイエンシズ(GILD)のソバルディ登場以降,ウイルス性肝炎というジャンルが登場しています。

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ここ数年の市場成長率で見ると,糖尿病・自己免疫疾患・ウイルス性疾患あたりの成長率が高いことが分かります。また,抗がん剤も順調に売上が伸びています。

こうした状況で追い風を受けているのが,糖尿病のリーディングカンパニーであるノボ・ノルディスク(NVO)やC型肝炎・HIVなどウイルス性疾患にめっぽう強いギリアド・サイエンシズ(GILD)の2社でしょう。

ギリアドの場合は,C型肝炎自体を3年で根絶させると豪語するほどであり,せっかく急拡大した市場もあとわずかでシュリンクします。投資家にとっては恐ろしい話ですが・・・。

一方,糖尿病は先進国の貧困層(米国黒人層)や新興国(中国)などで患者数が急拡大しており,また慢性疾患であることから当面は根本的な治療は見込めません。そういう意味では,がんと同じく長期的に市場規模が成長を続けると見て良いでしょう。

2016年現在で有望なのは,癌治療薬・糖尿病治療薬の二つの市場だと言えると思います。

代表的な企業

 疾患名 2015年売上高($Mil) 代表的な企業
抗がん剤 78,939 ロッシュ
ノバルティス
アストラゼネカ
バイオジェン(BIIB)
ジェネンテック(ロッシュ傘下)
ヤンセン
糖尿病 71,471 ノボ・ノルディスク(NVO)
サノフィ
イーライ・リリー(LLY)
メルク(MRK)
鎮痛剤 56,191  ファイザー(PFE)
ジェネリック中心
自己免疫疾患 41,928 アッヴィ(ABBV)
アムジェン(AMGN)
ブリストル・マイヤーズ・スクイブ(BMY)
高血圧 41,393 ノバルティス
呼吸器疾患 40,037 グラクソ・スミソ・クライン(GSK)
ベーリンガーインゲルハイム
アストラゼネカ
テバ(TEVA)
抗菌薬 38,361  ジェネリック中心
精神病 34,870  ジェネリック中心
ウイルス性肝炎 32,027 ギリアド・サイエンシズ(GILD)
ジョンソン・アンド・ジョンソン(JNJ)
外皮用薬 29,484  ジェネリック中心
血液凝固阻止剤 27,230  バイエル
脂質制御薬 26,551  アストラゼネカ
メルク(MRK)
グラクソ・スミソ・クライン(GSK)
胃腸薬 25,573  武田薬品
HIV薬 24,361 ギリアド・サイエンシズ(GILD)
グラクソ・スミソ・クライン(GSK)
メルク(MRK)
ブリストル・マイヤーズ・スクイブ(BMY)
神経疾患 22,454  ジェネリック中心
その他循環系 22,437  アムジェン(AMGN)=貧血薬
ジョンソン・アンド・ジョンソン(JNJ)=貧血薬
抗潰瘍剤 22,358  ジェネリック中心
中枢神経系疾患 19,599  ジェネリック中心
多発性硬化症 17,455  バイオジェン(BIIB)
ノバルティス
ジョンソン・アンド・ジョンソン(JNJ)
ワクチン 16,330  ファイザー(PFE)

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