2018年のシナリオ

セクター比較

2016年1月から2017年末までのセクター別のパフォーマンスを比較すると,半導体セクターと金銀セクターの強さが際立っています。どちらも2年で+90%ものリターンを叩き出しており,現在でも最強の2トップです。

一方で悪かったのは石油サービスセクターでした。2008年頃の原油高騰から一転してシェールオイルによる原油価格低迷がこたえました。また,政策当局から嫌われた製薬,バイオセクターは共にパフォーマンスが低迷しました。これは医療費高騰が社会問題化して,薬価の自由な引き上げが難しくなったことから一時的な逆風が吹いているためです。

この「金銀の資源セクター・半導体セクターが引っ張る相場」が2018年も続くかどうかが,投資家としての判断の分かれ目になるでしょう。

継続シナリオ

現在の2017年の相場は何回か急落はあったもの,結果的に押し目は全て買いでよく,損切り不要なブル相場が続きました。一般的に,大きな相場の下落や調整を経ないとセクターローテーションは起きません。今までのポジションが上がりすぎたから乗り換えようという風には相場は動かないからです。

ということは,2017年のトレンドは少なくとも数ヶ月は継続すると見るべきでしょう。

すなわち,金銀・半導体セクターのリードは相変わらず続き,それを銀行セクター・証券セクター・インターネットセクターが追うというモメンタムが続くはずです。

金・銀

ゴールド・シルバーセクターの主要な銘柄を比較すると,現在圧倒的に良いのはフリーポート・マクモラン(FCX)です。2017年12月にブレイクアウトし,1ヶ月で30%の上昇を見せています。今のところそれ以外の銘柄は長期間続いたゴールド価格の低迷のせいであまりパッとはしていません。

今投資するならフリーポート・マクモラン一択ということになるでしょう。

半導体

半導体に目を向けて見ると,ここ2年間で圧倒的に強かったのはAMD(AMD)でした。続いて半導体製造装置のアプライド・マテリアルズ(AMAT),そしてメモリーメーカーのマイクロン(MU)です。

これらの企業は2017年11月末の$SOX指数急落の際に揃って大幅調整を経験しており,長期の上昇トレンドラインが崩れかけていますが,それでも高値から30%程度調整したところで下げ止まっています。

私は基本的に半導体セクターについて長期的に強気です。

その理由は(かつて言われた)4年程度のシリコンサイクルが終わりを迎える前に,次から次へと新たなテクノロジー・投資テーマが生まれ,半導体への巨大需要が創造されているからです。パッと思いつくだけでこれだけテーマがあります。

 

・クラウドサーバーの急拡大によるNAND価格の高騰=>マイクロン(MU)の株価高騰(その代わりHDDが産業死)
・AI研究への投資ブームでGPUの需要増=>エヌヴィディア(NVDA)の株価高騰
・液晶から有機ELへの転換で有機EL素子蒸着・薄膜切断用の製造装置需要増=>キャノンやレーザーのコヒレント(COHR)などの株価高騰。
・仮想通貨のマイニングでASICの需要増=>Avalon, Canaanなどの中国セミコン企業が活躍
・次は自動運転でのGPUやFPGAの需要増=>エヌヴィディア(NVDA)やインテル(INTC)傘下のアルテラなどに期待
・スマートホーム,アマゾンエコーなどのIoT関連需要増=>ARM(ソフトバンク)などの小型マイコンや無線通信関連でクアルコム(QCOM)の需要増に期待。また大手ファウンドリーである台湾セミコンダクター(TSM)も期待大。

 

ただし,この好調な半導体セクターの中でどれが最大のテーマに化けるかはまだよく読みきれていません。敢えて言うならどう転んでも儲かるポジションにいる,製造装置メーカーのアプライド・マテリアルズ(AMAT)が一番旨味があると思います。

反転シナリオ

一方で,年始から突然トレンドが変わる可能性もある程度は念頭に入れておかなければなりません。

やはり一番気がかりなのはイールドカーブのフラットニングです。失業率が低下して完全雇用に近づいており,労働力の供給という意味では限界に差し掛かっています。この状態から労働生産性向上や賃上げによる消費拡大によって,どれだけ成長率が上増しできるかという点が長期金利を左右しますが,今の所長期金利はほとんど横ばいです。

失業率は極限まで下がっている

短期金利の折り込みペースが早くなっている

2016年に比べて利上げへの忌避感が減った代わりに,利上げの先読みによって短期金利の上昇ペースが早くなってきています。これがイールドカーブのフラットニングを加速してしまっています。

ドットプロットでは2018年末のFFRは1.9%程度がコンセンサス予想となっており,これは現在の長期金利(2.5%)に対して0.6%までイールド差が詰まってきています。

下の図で見ると,2018年初頭のイールド差は過去の景気サイクルでいうと2006年頃のイールド差に近くなっており,債券市場と株式市場の相関がどうなるのかは2018年を通じてウォッチする必要があると思います。

もし,相場全体の大幅下落が来るならば,当然最大の値下がり幅を記録するのはそれまでのリーディングセクターである半導体と言うことになるでしょう。相場が荒れてきたらショートに切り替えると言うのが良いかも知れません。

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