バフェット流損切り術

バフェットがIBM(IBM)を売りました。これはIBMの業績が芳しくない(20四半期=丸5年間連続の売上減少)というだけではなく,バフェットが合理的だと思う損切り戦略を忠実に実行に移しているためです。

バフェット流投資家の方は,「2017年12月31日までに,バフェットがどの銘柄をどのタイミングで売ってくるのか」に注目ください。

はからずも今年はバフェット流の売り方を学ぶ絶好の年となりそうです。

損切り

ポーカーで手が悪い時にフォールドする(ゲームを降りる)ことがありますが,バフェットはポーカーのルールが変わることを見越して,先手を打って今年損切りしようとしています。(利食いではなく損切りであることに注意。)

実際には以下のブルームバーグの記事にある言い回しの通り,「今の会計制度が確実に適用される2017年度決算(12月31日締め)で含み損を出すのが好ましい」という言い方にすぎず,どんな銘柄でも売却した方が良いと断言している訳ではありません。

ですが,裏を返せば,トランプ大統領の税制改革(特に法人税減税)が頓挫しない限りは,来年の税制の方が有利なので,今年中に損切りして来年以降に利食いした方が合理的だと言っているわけです。

オマハの賢人が投資の出口戦略(あるいは税理士目線での節税戦略)をやんわりと指南してくれたら,米国内の企業・投資家はどう行動するでしょうか?

おそらく,年末にかけて下がった銘柄を順次損切りし,今年の秋以降は弱い銘柄がさらに売り込まれるでしょう。これはジェレミー・シーゲルの著作に書かれている1月効果が再発する下地となるかもしれません。(1月効果というのは12月に下がった銘柄が,1月に急浮上する変なアノマリーのこと。1930年代に顕著でしたが,昨今は消滅しています。)

※私は基本的にアノマリー投資を信じていないので,単に下がっただけのバリュー株には全然興味がありません。しかし,「2018年1月に限っては」トランプ減税前の駆け込み損切り需要によって弱い銘柄のバリュエーションに歪みが生じる可能性があると思っています。こんな変な理由での相場の歪みは勘弁して欲しいのですが,秋以降の投資戦略は注意が必要だと思っています。

IBM

多くの投資家が注目のIBMですが,バフェットがもし売り方に回るのであれば,かなりの下げ圧力になります。どんな機関投資家でもバフェットほどの資金は持っておらず,よほどのことがない限りバフェットの逆張りは資金力の面でリスキーだからです。

すなわち,安易なバフェットの逆張りや買い増しは,今年は注意した方が良いと思います。少なくとも,$170超えの水準になればバフェットは喜んで’やれやれ売り’してくることが分かっているので,何らかの拍子にありえないぐらい下落したタイミング以外は安全圏の確保を優先して手出しはしない方が良い銘柄になってしまったと思います。

もちろん,IBMの業績が絶好調になれば別ですが。

Buffett Says Now Is Time for Losses on Asset Sales for Tax Edge

Billionaire Warren Buffett said he’s more inclined than usual this year to sell some assets because the tax advantage could soon diminish for divesting securities at a loss.

“We would rather take losses than gains because of the tax effect,” Buffett said Saturday at the annual meeting of his Berkshire Hathaway Inc. in Omaha, Nebraska. While that is normally his view, it is even more of a preference now because tax rates may decline, he said.

President Donald Trump has pledged to reduce the cost of taxes for corporations. That means it may be better to take gains later, when tax rates might be lower. By the same logic, losses are more valuable when tax rates are high.

“That is not a big deal, but it would be a very slight preference” when making decisions about the securities portfolio, Buffett said. “And it may get to be more of a factor in deferring any gains and perhaps accelerating any losses as the year gets closer to Dec. 31.”

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です