クラウドベースの投資研究システム(三菱UFJトラスト投資工学研究所)

ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイは,最早クラウド企業となりつつあるIBM(IBM)の大株主であることはよく知られています。クラウドが成長中なのはアドビ(ADBE),オラクル(ORCL),マイクロソフト(MSFT)など各社決算を見ればすぐ分かりますが,実例についてはあまり耳にしないので興味本位で少し調べてみました。

その結果,投資情報分析システムをAWS上に構築した三菱UFJトラスト投資工学研究所(MTEC)の事例を見つけたので紹介します。

その名の通り,信託銀行なので,相続した資産の運用代行で手数料を稼ぐようなビジネスモデルです。一言で言えば,機関投資家です。そんな,ゴールドマン・サックス等のハイテクをコア・コンピタンスとする投資銀行と比べれば”まったり系”の機関投資家であっても,経済ニュースのビッグデータを使って『金融工学的な』投資をやっているようです。

なぜアマゾン・ウェブ・サービスを選んだかについては,将来的に情報量が増えてもサーバーを追加申し込みするだけで簡単にスケーリングに対応できる点や,短納期でシステム導入できる点がよかったそうです。

システムは以下の図にあるように,AWS上でニュースデータを保存・解析し,AWS上のウェブサーバーにデータを表示するというような活用方法です。アナリストはそのウェブを見て,投資判断を下すというわけですね。

「株式会社 三菱UFJトラスト投資工学研究所様 システム構成図」

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そして登場した論文が『「株式市場リターンの季節性と投資家のリスク回避傾向の季節変化」,証券アナリストジャーナル, Vol.54, No.2, Feb 2016, pp 68-77』という季節性アノマリーの研究で,よく言えばジェレミー・シーゲル博士のような学術的投資工学とでもいいましょうか。

アマゾン・ウェブ・サービスは私は使おうと思って挫折した経験しかないのですが,現在の一番の売りはエコシステム(開発者の層が厚く,APIも豊富で便利)な点にあると思います。アップルがAppStoreで商業的に大成功を収め,iOS開発者の層の厚さは依然としてAndroidを上回っている点とも似ています。

具体的には,オラクルとかマイクロソフトなどが開発したAPIを販売するAWSマーケットプレイスが存在します。たとえば,金融サービスに関するAPIの中ではBarchart OnDemandなんかがよさげに見えます。

barchart-on-demand

機会があったら私もAWSに再挑戦してみて,アマゾン・グーグル・マイクロソフトなど各社のクラウドサービスの雰囲気をつかんでおきたいと思います。

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