インターネットサービスは公益セクター

タブロー・ソフトウェア(DATA)やリンクト・イン(LNKD)の決算内容が悪かったことから,IT関連株が軒並み売られました。インターネット関連のセクターも-3%〜-7%程度の下落です。

インターネット関連セクターと公益セクターは,かたや新進気鋭のグロース株,かたや枯れた配当株という位置づけで考えられがちですが,インターネットの中でもインターネットサービスセクターだけは,公益セクターと位置づけて考えないといけない時期が来ると私は考えています。

というのも,アルファベット(GOOG,GOOGL)やフェイスブック(FB)を始めとするサービスは,すでにネットワーク効果によりユーザーが増えれば増えるほど価値が増すフェーズを通り過ぎ,日常的に必ず使うインフラに変貌しているからです。

今後インターネットを排除して生活することはほぼ無理な時代が来るでしょう。ありとあらゆるサービスがInternet of Thingsでオンラインに接続され,便利だが逃れようのない時代になります。

インターネットの中でも中核のインフラを構成するであろうグーグル(GOOG)は,気がつけばテレコム企業のAT&T(T)やベライゾン(VZ)のように重鎮ディフェンシブ株だとみなされてもおかしくありません。

インターネットセクターが公益セクターだとみなされない理由は,一つには収益の大半が広告に頼っている点があります。広告は電話料金や水道料金のように「必ず毎月入ってくる収益」ではないため,振れ幅が大きく,10年後も20年後も確実に収益を稼ぎ続けることはできません。

現時点ではそうした稼ぎの面での不安がありますが,アマゾン(AMZN)の収益の柱が実は小売りの利ザヤではなく,アマゾン・プライム有料会費やアマゾン・ウェブ・サービス使用料であるように,いずれはグーグルも有料サービスを提供し顧客を囲い込む時代が来ると考えています。

というのも,すでに検索サービスやSNSサービスといったビッグデータから,ユーザーの嗜好や人脈や職業や年収といったありとあらゆる情報を,すでにインターネット・サービス企業は持っているからです。

グーグル・アドセンスやグーグル・アナリティクスを使っていると,恐ろしいほどユーザーの情報が丸見えなのはオンラインで商売をやっている皆さんやブロガーの皆さんにはおなじみだと思います。

極端な話,ユーザーが一生のうちにどういう買い物をし,どんなライフスタイルを送るかということさえ,いずれは予測可能となります。最初のうちから精度が100%である必要はなく,60%程度でも十分です。たとえ最初は間違いが多くて成約率が低くても,時間が経てばユーザーが自らの行動で正しい答えを示してくれるのですから。

というわけで,儲けるためのネタ(人脈,懐具合,嗜好)集めをしているフェーズから,一歩踏み出し始めているのがアマゾン(AMZN)であり,まだ情報収集に余念がないのがグーグルやフェイスブックだと言えるでしょう。

インターネットは規模の経済(コストダウン効果)を最大限に有効活用できるセクターです。規模の経済を使えば,一生消費しきれないほどのオンラインサービスを格安で提供することが可能なのは,アマゾンが実証済みです。映画でも音楽でも良いですが,一つのコンテンツを一人一人に売るのではなく,100万曲まとめて月額で全員に配信した方が安くできるのです。

長くなりましたが,インターネット・セクターが有力で破壊的なサービス(かつ企業サイドからすると有力なマネタイズ法)を提供するのは,まだまだこれからです。私たちが好む好まざるに関わらずNTT, au,ソフトバンクの三社のいずれかと契約するのと同じように,将来世界中の人々がグーグルやアマゾンと契約する時代が来ると考えています。10億人のユーザーの1割でも1億人の有料会員です。そのときには,インターネット企業は晴れて公益セクター入りしても良いと思います。

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