オラクル(ORCL) 企業分析

企業ホームページ

Oracle

セクター

テクノロジー(ソフトウェア,インフラ)

企業状況

売上高で世界第四位のソフトウェア会社です。(同業1位はマイクロソフト(MSFT),2位はIBM(IBM),3位はグーグル(GOOGL)です。)データベース管理システムのOracle Databaseは商用分野で世界トップです。基本的に世界のトップ企業ほぼ全てを顧客としているぐらい,素晴らしい顧客リストを有しています。

2009年にサンマイクロシステムズを買収し,サーバー部門を強化しました。開発ツールや業種別ソリューションまで幅広く提供しています。最近では統合パッケージシステムやクラウドサービスの拡大を目指しており,M&Aにも力を入れています。

乗り遅れた成長市場

IBMと同じく,クラウド分野への参入は遅れたため,まだまだクラウド分野の売上は全体の5%と小さく,72%はオンプレミス分野が占めます。それでも,オンプレミスの成長が鈍化しているのに比べて,クラウド分野の成長率は年率+41%と伸びており,売上成長を牽引しています。ただ,Microsoft AzureやSalesforce.com(CRM)などの競合ベンダーがクラウドを会社の柱にしようとしているのと比べるとまだまだこれからという印象です。

既存顧客を大量に抱えていると変化に対して後手に回りやすい典型例です。

 

orcl-segment

orcl-revenue-growth-2015

 

競合状況

CRM(顧客情報管理)ソフトウェアでは,Salesforce.com(CRM)を中心に急速にクラウドかが進んでいます。営業マンが出先で顧客情報をアップデートするというスタイルが定着しつつあり,日本でもタブレットを営業ツールとして使っている企業が増えています。

CRM-share-2015

また,各社as-a-Serviceへの力の要れ具合について,Gartnerの資料があったので貼り付けておきます。

アマゾン(AMZN)やSalesforce.com(CRM)やグーグル(GOOGL)は各顧客向けのカスタムは行わず,汎用的なプラットフォームと開発環境を提供しています。アマゾンなどは自社で使うために開発したシステムを,よその企業でも使えるように汎用化して提供するのがうまく,アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)はコスト面・導入への敷居の低さなどからウェブサービス提供プロバイダーとして成長しています。

それに対し,マイクロソフト(MSFT)やIBM(IBM),VMWare(VMW)やオラクル(ORCL)は顧客カスタムシステムの開発を行っています。昔ながらの「顧客要望を聞き取って形にする商売」ですね。社内SE部門のリソースに限りがある場合,これらの企業に社内データベースなどの委託開発をすることがあります。従来のシステム開発を一括で受注し納品と同時に開発費用・ライセンス料を徴収するスタイルから,クラウドデータベース+サブスクリプション課金スタイルに変化していくのは間違いないと思います。

VendorSummaryChart

 

最近のマーケット状況

エバーコアの調査によると,「ライセンス収入減よりもサブスクリプション収入増の方が上回るティッピングポイントを超えた」そうです。本当なら業績の底打ちが期待できます。

5年チャート

2014年末に$46の高値を付けてから24%程度下落しています。今現在の$34あたりがサポートラインですが,2015年のガイダンス見通しが悪かったことや地合の悪さも相まってサポートラインギリギリまで下がっています。

orcl-5yr-chart

日足チャート

orcl-daily-chart-20160210

直近株価評価

現状 スコア 満点
機関投資家比率 62.0% 10 20
機関投資家の売買動向 -3.1% 3 12
インサイダーの売買動向 -0.1% 9 12
現在の株価(資産に対する割安度) $35.2 20 20
現在のPER(Forward) 12.44 15 20
現在の配当利回り 1.7% 8 16
65点 100点

10年ファンダメンタル分析

10年ファンダメンタル レーダーチャート

10年前と比較すると成長力が鈍化しています。その最大の原因は,オラクル(ORCL)の売上高の75%を占めるオンプレミス・ソフトウェアの売上が頭打ちになっていることです。

10年ファンダメンタル 得点表

以下の表にある通り,収益力は抜群です。ここ5年では成長が鈍化していますが,再加速するためにはクラウド等の成長分野への投資が必須です。競合もこぞって投資している分野なので難しい面はありますが。

配当はまだ出し始めて10年も経っていないのであてにしてはいけません。着目すべきは安定・着実にフリーCFを積み上げられるかどうかです。

5年平均 5年スコア 10年平均 10年スコア 満点
配当株総合評価 413点 432点 500点
グロスマージン(粗利率) 79.5% 40 78.7% 40 40
営業キャッシュフローマージン 36.6% 40 34.3% 30 40
株主資本利益率(ROE)平均値(Net Income/Equity) 23.9% 15 24.1% 15 20
収益力評価 95点 85点 100点
営業キャッシュフロー増加率 5.0% 20 12.2% 30 40
フリーキャッシュフロー増加率 3.8% 16 11.6% 32 32
EPS増加率 5.8% 21 13.2% 28 28
成長力評価 57点 90点 100点
自己資本比率平均値 52.0% 40 51.8% 40 40
流動比率(流動資産/流動負債) 324.0% 40 231.6% 40 40
クレジット格付け 18 20 18 20 20
財務健全性評価 100点 100点 100点
平均配当利回り 0.8% 7 0.5% 7 28
自社株買い利回り 2.6% 12 1.6% 8 16
配当金増加率 19.4% 28 26.1% 28 28
配当性向(増配余地) 12.6% 14 12.3% 14 28
株主還元評価 61点 57点 100点
ブランド力 87 60 87 60 60
エコノミック・モート Wide 40 Wide 40 40
定性的評価 100点 100点 100点

10年分析グラフ

景気変動にも負けず10年間高い利益率を維持し続けています。若干懸念があるのが,2014年まで順調伸びていた営業CFが2014年をピークに頭打ちしている点ですが,2016年からは再度成長路線に回復することが期待できます。

リスクとしては企業が設備投資を絞った場合です。オラクルの業務というのは企業業績が良かろうと悪かろうと使うインフラストラクチャーに近い部分であり,無いと日常業務に差し支えるサービスなので,そこまで下ぶれのリスクは少ないと見込んでよいと思います。(タブロー・ソフトウェア(DATA)などガイダンスが悪い決算が続いていますが,注意しつつも楽観的に考えています。)

orcl-10yr-analysis

優良銘柄の条件

優良銘柄の条件 結果 判定 備考
条件3:他社と差別化できる優れた新製品を持つ データベースでは○。クラウドでは△。
条件5:主力製品の市場が長期的に拡大し続ける余地がある  既存ライセンス課金スタイルは頭打ち。クラウドは成長市場。
条件10:売上,営業キャッシュフロー,フリーキャッシュフロー,EPSのバランスがよい  文句なしに美しい。10年間継続的に美しいのは見事。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です