クラウドとYahoo(YHOO)とベライゾン(VZ)

しばらく,バフェット流分析は閉店とさせていただきます。

というのも,3日前ぐらいからYahoo Financeのヒストリカル株価データ・配当データが取得できなくなったためです。普段お使いいただいている皆様にはご迷惑をおかけして申し訳ありません。

今回の「予告なしのサービス停止」についてはYahoo Forumでも不満の声が大きく,Google Financeなどに乗り換える動きが出ています。

Yahoo(YHOO)は,ユーザーやエンジニアの信頼を失うことがどれだけ損失になるのか分かっていません。

誰でもクラウド時代

Yahooの立ち位置について歴史的な観点から考えてみましょう。

ここ5年でフェイスブックやインスタグラム,ユーチューバーのような「誰でもSNS発信者になれる時代」は浸透しました。またブログ村でも毎日のように新しいブロガーが誕生しています。こうしたSNSは一人一人の生み出す富は小さいですが,総量で見ると巨大な経済圏が構築されています。

動画広告の成長速度は年率13%

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では,その次の世代はどうなるかと言うと,「誰でもクラウドサービスの提供者」となる時代です。

誰でもクラウド時代』には,個人がアマゾンやグーグルなどの提供するAPIを使って様々なルーチン作業を自動化し,さらにはそれを世の中に公開する時代です。従来はExcelでやっていた作業がクラウドに移行することで誰でも使えるようになる…こう言う可能性って夢がありますよね?

私も,このクラウドサービス時代に夢をみるタイプの人間です。

このような個人が提供するクラウドサービスの経済圏は,近い将来,今のSNS経済圏を超えるでしょう。しかも,それは5年〜10年間に起きるであろうというのが私の予測です。

2017年現在,有形のモノ作りに関しては3Dプリンターによって誰もが生産者になれる時代が到来しています。これは3Dシステムズ(DDD)やストラタシス(SSYS)などの革新によるものです。

そして,今後5年のうちに現物を3Dプリンターで造形でき,情報サービスはクラウドで提供できるようになれば,誰もがコストをかけずに小規模な事業主になることができます。

もちろん,3Dプリンターやクラウドプラットフォームを使いこなすにはスキルが必要ですが,デジタル世代にとっては壁にはなりません。SNSに誰もが適応したように,クラウドサービスにもすぐ適応するでしょう。その根拠は,Qiitaなどの技術情報SNSのおかげで,技術習得の敷居が大幅に下がっているからです。お互いが教師になり,お互いが生徒になれるので,テクノロジーの伝播速度が異様に早いのです。

では,来るべき「誰でもクラウド時代」にどの企業が覇権を握るのかというのが,投資家目線で気にすべきポイントです。

クラウドの覇権

クリス・アンダーソンがフリーミアム(フリー+プレミアム)を唱えてからだいぶ経ちますが,実際に世の中はその予言通りに進んできています。クラウドサービスについて言うと,無料でどこまで提供できるか,顧客ネットワークを構築できるかが勝負の分かれ目です。

それは,利用者目線に立って考えるとすぐわかりますが,もっとも便利でもっとも安いクラウドサービスを使い始め,定着し,安住の地とするからです。クラウドと言えどもスイッチングコストはあるので,最初の一手でベストなプラットフォームを選びサービスを始めたいというのが人情でしょう。(#家を買うときと同じですね。買い替えすればいいんですが,色々面倒なので。)

これをよく理解しているのがアマゾン(AMZN)であり,マイクロソフト(MSFT),アルファベット(GOOG)です。

圧倒的なシェアを誇るアマゾンと,猛追するマイクロソフトAzure(稼働中のアプリケーション数ベースのシェア)

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しかし,Yahooはサービスを改悪することで,利用者離れを招いてしまいました。

Yahoo FinanceはStackoverflowと言うプログラマー向けのサイトにおいて一番よく使われており,株をやるなら必須という扱いでした。株情報の老舗という意味でGoogle Financeなどに対して優位性が高いコンテンツだったわけです。PythonやJavaScriptでプログラムを実装し,サービスを提供している人が世界中にいたわけです。(当然,私もその一人です。)

自社に優位なコンテンツに制限をかけてくるというのは,おそらく収益性の低い事業を切り売りするフェーズに入ったのだと思います。なぜなら今のクラウド黎明期にフリーライダー(個人のプログラマー)を排除しようというのは,時代に逆行しているからです。フリーライダーを排していては今後の10年の収穫期は戦えません。クラウドサービスにおいて戦う気がないと言っているのと同じです。

一方の,マイクロソフトやアルファベットは5年先,10年先を見越して,教育機関専用のWindows10Sを開発したり,廉価なGoogle Chromebookを使って,学校教育を主戦場にしようとしています。小学生にプログラムを教え,潜在的なプログラマーを養成し,自社の顧客基盤に取り込もうとタネを蒔いているのです。

目先の種籾を食べずに蒔くわけですから,忍耐を伴い,それには「教育市場での勝敗が自社の将来のビジネスを左右する」と言う確信にも近い先見性が必要です。マイクロソフトのナディラやアルファベットのラリー・ペイジには,この未来が見えているはずです。

こうした中でのYahoo Financeの自滅戦略を見る限り,Yahooはベライゾン傘下でいずれ消えゆく存在だと言うことでしょう。Yahooは孫正義氏のYahoo Japanだけは元気があり,アリババ(BABA)と組んだりして頑張っていますが,米国Yahooはもうダメだと判断します。背景にあるのはベライゾン(VZ)のコストカット圧力なのか,Yahooエンジニアチームの判断ミスなのか,どちらにせよ今後は様々な面でYahooの従来のサービスが変化していくと思います。動向を注視していきましょう。

 

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